オーストリアNANOIDENT Technologiesは現地時間3月13日,プリント半導体プラットフォームと製品の技術基盤となる「NANOIDENT SEMICONDUCTOR 2.0 Platform」を発表した。同プラットフォームにより,垂直市場においてプリント半導体をベースとする電子機器の実現が可能になるとしている。
同プラットフォームは,4つの中心となる知的財産で構成される。これには,液体導電と半導体材料,設計とシミュレーション,製造工程と品質保証,機能要素に関連する知的財産が含まれる。同プラットフォームにより,光検出器,発光ダイオード,トランジスタ,光電池といったプリント半導体をベースとするコンポーネントの設計と量産が可能になるという。
プリント半導体デバイスは,液体誘電と半導体原料を使って製造されるため,NANOIDENTは高度なプリント・システムを使ってさまざまなオブジェクトの表面に電子回路をプリントできるという。同プラットフォームにより,薄く軽量で数平方メートル規模のプリント半導体デバイスを作成できるため,従来のシリコン・ベースの技術では実現できなかった用途の可能性が広がるとしている。
NANOIDENTと同社の子会社は,生命科学市場向けに「PhotonicLab Platform」,セキュリティ市場向けに「SmartBiometrics Platform」を用意した。これらのプラットフォームは,SEMICONDUCTOR 2.0をベースとするもの。両市場における,プリント半導体を採用する製品の開発促進を目的としている。光電子センサー,科学および生物学的センサー,バイオメトリック・センサー,X線検出器といった幅広い機器に導入されるという。将来的には,プリント有機ELディスプレイ,トランジスタ,集積回路などに使われ,これらの機能を単一のデバイス上にまとめることも可能になるとしている。
英IDTechEのアナリストは,2025年までにプリント半導体市場は3000億ドル規模に成長すると予想している。
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