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テストは1人当たり約90分。調布のユーザビリティラボ調査には、延べ80人のユーザーが協力したという
テストは1人当たり約90分。調布のユーザビリティラボ調査には、延べ80人のユーザーが協力したという
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マジックミラー越しに調査員がユーザーの操作を検証する
マジックミラー越しに調査員がユーザーの操作を検証する
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テストルームにはユーザーのキーボード操作を真上からとらえるカメラも設置している
テストルームにはユーザーのキーボード操作を真上からとらえるカメラも設置している
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海外においては、ユーザーの目線の動きを分析する調査も行われた
海外においては、ユーザーの目線の動きを分析する調査も行われた
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 マイクロソフトは2007年3月14日、東京・調布にある同社のテストルームを公開した。このテストルームは、Office 2007の開発において、一般ユーザーを招いた調査で使われたもの。同時に、同社が行っているユーザビリティアクセシビリティに関する取り組みについても説明した。

 Office 2007に関して行われた日本における検証は主に4つ。検証順に並べると、「ユーザーデータ分析」「ユーザビリティラボ調査」「ベータ調査」「ベンチマーク調査」になる。

 まず、ユーザーデータ分析は、Office 2003でのパターンデータを収集し、データを分析。日本のユーザーがよく使う機能が、全世界のユーザーと比べてどう違うかなどを検証する。

 次のユーザビリティラボ調査は、実際にユーザーをテストルームに招いて行う。Office 2007のテストを行ったアプリケーションはWord、Excel、PowerPointの3種類。マジックミラーで仕切られた部屋でユーザーにソフトを使って作業をしてもらい、その操作方法を検証。使いづらい部分は本社へフィードバックし、必要とあれば修正をする。

 例えば、Excelのケイ線の機能やPowerPointにおける図形の連続挿入などは、日本からフィードバックした結果、Office 2007に反映されたという。また、「Office 2007で、表を挿入した際にケイ線を編集する機能はリボンのボタンになっている。本社の開発チームの中ではリボンのボタンでなくてもよいのでは、という意見もあったが、リボンのボタンの方が分かりやすいという日本からのフィードバックによって実現した」(マイクロソフト ディベロップメントのプロダクトプランニング&ユーザーエクスペリエンスグループ ユーザーエクスペリエンスリサーチャー田中 健史氏)。このほか、海外では目線の移動を調査するテストも行われたという。

 ベータ調査は、Office 2007を長期にわたり、ユーザーに使用してもらうテスト。最後のベンチマーク調査は、クリック数や生産性などを具体的な数値で検証するものだ。ユーザーにとっては、クリック数は少ない方がより使いやすい。Office 2007の3つのアプリケーションのクリック数は、Office 2003に比べて三分の一から半分に減ったという。

 アクセシビリティに関しては、主にWindows Vistaで新たに搭載した機能を紹介。例えば音声認識機能を使って、スタートメニューからコントロールパネルを呼び出したり、画面上のアクティブになっているウインドウの情報を読み取ってウインドウ内の情報に番号を付けたりするといったデモンストレーションを実施した。

音声認識でアクセシビリティ向上
Windows Vistaを音声で操作する音声認識のデモンストレーションを実施