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 総務省が今国会に提出する予定の放送法改正案を巡って,総務省と自民党の間で落としどころの探り合いが続いている。焦点となっているのは,NHKへの受信料支払いを義務化するかどうかである。菅義偉総務相は受信料の支払いを義務化する代わりに,受信料の2割引き下げを約束するようにNHKに強く求めている。これに対してNHKは要求をのめないと繰り返すばかり。2割もの引き下げは地上波放送のデジタル化投資などに影響が出るとして,一歩も退かない構えである。そのNHKの立場に一定の理解を示すのが自民党という図式だ。

 そもそも,受信料を引き下げさせる権限は総務相にはない。受信料をいくらにするのかは,NHKが毎年国会に提出する次年度の予算に載せている。受信料の金額を含む予算を承認するかどうかを判断するのは国会である。予算承認を担う国会が,受信料が高すぎないかどうかチェックする機能を果たしているわけである。自民党からすれば,受信料の引き下げをNHKに迫る菅総務相の言動は越権行為に映る。

 総務省と自民党の調整はついておらず,受信料の支払いを義務化する項目が,総務省が国会に提出する放送法改正案に盛り込まれるかは依然として不透明である。