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写真1●「モバイルビジネス研究会」の第4回会合
写真1●「モバイルビジネス研究会」の第4回会合
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 総務省は3月19日,これからの携帯電話のビジネスモデルを検討する「モバイルビジネス研究会」の第4回会合を開催した(写真1)。第2回(関連記事1),第3回(関連記事2)に続き,関連企業がプレゼンテーションを実施。主にMVNO(仮想移動体通信事業者)に関して議論が進んだ。

 プレゼンテーションを実施したのは,ウィルコムの執行役員常務である平澤弘樹・ネットワーク技術本部長,MVNO関連ビジネスを手がけるインフォニックスの藤田聡敏・常務取締役,携帯関連サービスやソリューションなどを企画・開発するフューチャーモバイルの木下眞希・代表取締役,東日本旅客鉄道(JR東日本)の常務取締役である小縣方樹・IT事業本部長の4人である。

 ウィルコムはPHS事業者として,「携帯電話事業者とは違ったビジネスを先取りしてきた」と述べ,同社のネットワークをオープンにしてMVNOに提供してきたことなどを説明。その一方で,無線機能をモジュール化した「W-SIM」を提供することで,多様な端末を短期間で安価に開発できる体制などを築いてきたことを披露した。インフォニックスとフューチャーモバイルは,いずれもMVNOを促進する視点から,端末側に機能を追加するための開発プラットフォームのオープン化などについて述べた。

 JR東日本はモバイルSuicaなど携帯電話に直接関係するビジネスだけでなく,運輸業と旅行会社の関係についても言及した。同社と旅行会社の関係は通信事業者とMVNOの関係に近いとしたうえで,例えば旅行会社の企画に対して同社の運輸サービスを組み入れやすくするようなビジネスを志向してきたことを説明。その結果,輸送業全体のトラフィックが増えていることを示し,こうしたビジネスは通信事業者にも通じるのではとの意見を述べた。

端末プラットフォームとネットワークのオープン化に議論集中

 各社のプレゼンテーションのあとに開催した自由討議では,(1)端末側のアプリケーション開発プラットフォームのオープン化,(2)MVNOに対する携帯電話事業者のネットワークのオープン化--の2点に議論が集中した。

 (1)の端末側のアプリケーション開発プラットフォームのオープン化については,現状でもJavaやBREWでキャリアごとに共通のプラットフォームを提供している。だが,機能を追加するたびにプラットフォームに手を加えているような現状を座長の齊藤忠夫・東京大学名誉教授が指摘。またハードウエアの機能を操作する際などに制限がある点がMVNOの新サービス開発の障壁となっている現状を構成員が説明した。

 ハードウエアへのアクセスのオープン化についてNTTドコモはセキュリティ上の懸念があると説明した。またKDDIはプラットフォームの現状について,事業者間で(プラットフォームについても)まだ競争が進行している状態であるとし,一朝一夕に共通化やオープン化に結びつかない現状を述べた。

 (2)のMVNOと携帯電話事業者のネットワークの接続については,構成員から「約款で条件を明確にすることはできないか」といった要望が出された。これについて,NTTドコモ,KDDI,ソフトバンクモバイルの3事業者はいずれも「実現は困難」という見解を示した。その理由は,MVNOが千差万別であることで変化に富んでいることから,一律に約款などで決められないのが現状で,個別の対応にならざるを得ないからだ。

 なお,4月開催の第5回会合では,イー・モバイル,マイクロソフト,ぐるなび,三井物産,ACCESSの各社がプレゼンテーションを予定している。