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 日立製作所のハードディスク部門である日立グローバルストレージテクノロジーズ(日立GST)は3月22日、2007年度(1~12月)の戦略発表会を開催。05年度から黒字化を目指しているものの実現できていない状況について中西宏明CEO(最高経営責任者)は、「生産体制の見直しや新製品の投入によってコスト競争力を強化し、07年度こそは黒字化する」とした。

 生産設備の再編では、集約化を進める。現在、ヘッドスライダはメキシコとフィリピンで生産しているが、08年6月末までにメキシコ工場を閉鎖しフィリピンに一本化。円板については、小田原工場での生産分を米サンノゼの工場へ移管する。一方で、ヘッドスライダの開発は規模を縮小した小田原工場に集約する。中西CEOは、「拠点の再編によってスケールメリットが追求できることに加えて物流経路も簡素化できる」と説明。再編で約100億円の特別損失を計上する見込みだが、5年間の累計で3億ドルのコスト削減があるとみている。

 製品戦略では、「現在シェア首位の2.5インチ型で首位を堅持していく」と強調。NAND型フラッシュ・メモリーと競合が激しい1インチ型や1.8インチ型から、容量の大きい2.5インチ型、3.5インチ型、エンタープライズ向けに、これまで以上に軸足を移していく。それでも、HDDの価格の下落は激しい。昨年は、「予想に比べて倍以上のスピードで価格が低下した」(中西CEO)。価格下落をカバーするために、「新製品投入のスピードを上げ、下落分をカバーする」(中西CEO)という。