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マイクロソフト プラットフォーム戦略本部業務執行役員の大場章弘本部長
マイクロソフト プラットフォーム戦略本部業務執行役員の大場章弘本部長
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 マイクロソフトは3月27日,Windowsに付属するWebサーバー・ソフトウエア「IIS(Internet Information Services)」上で,オープンソースのスクリプト言語「PHP」プログラムの実行性能を高めるためにゼンド・ジャパンと協業すると発表した。多くの開発者を擁するPHPをIIS上で動作しやすくすることで,オープンソースのWebサーバーApacheに対抗する考えだ。すでに米MicrosoftとイスラエルZend Technologiesは昨年10月31日に協業を発表しており,今回日本側の体制が整ったことから,日本法人による発表となった。

 今回の協業の狙いは,IIS上でPHPプログラムを高速かつ安全に動作できるようにすること。従来の二つの方法では,速度や安全性に問題があった。一つ目の方法は,CGI(Common Gateway Interface)で動かすというもの。これだとプログラムの速度が遅くなり,実用的でなくなる。もう一つの方法は,ISAPI(Internet Server Application Programming Interface)を利用した拡張プログラムをインストールするというもの。この方法では速度は向上するものの,一部のライブラリでスレッド・セーフを保証できないなど,安全性に難点がある。

 そこで,両社は共同でIIS用にPHPの「FastCGI」プログラムを開発した。これを利用すれば,スレッド・セーフを保証しながら,PHPプログラムを高速に実行できるという。「Windows Vistaと付属のIIS 7.0で動作を確認したところ,場合によっては,ISAPIモジュールを使う場合に比べて100倍以上処理速度が向上した。Longhorn Serverが登場すれば,さらに速度が上がる」と,マイクロソフトでプラットフォーム戦略本部 市場戦略グループ シニアプロダクトマネージャを務める田中源太郎氏は話す。

 マイクロソフトは,現行のWindows Serverだけでなく,Longhorn Serverの登場後もゼンド・ジャパンと協力してプログラムの実行性能を上げていく方針だ。同社は今後もPHPコミュニティにかかわっていき,PHPのバグを発見したらすぐにコミュニティに報告するとともに,同社内で完成したPHP関連の成果物をコミュニティ還元していくという。加えて,今後自社のWebサイトからPHP関連の技術情報を発信し,定期的にPHPプログラマ向けのセミナーを開催していくという。第1回のセミナーは5月18日に開催する予定だ。

 ゼンド・ジャパンは,4月に出荷予定のPHP実行環境のセットアップ・プログラム「Zend Core 2.0 日本語版」にIIS用のFastCGIを収録する予定。同じく4月に,プログラムの実行状況の監視などの機能を取り込んだPHPプログラム運用パッケージ「Zend Platform 3.0 日本語版」のWindows版を投入する予定。

 マイクロソフトのプラットフォーム戦略本部業務執行役員の大場章弘本部長は,今回の協業の狙いについて「現在,PHPはWebアプリケーション開発プラットフォームとしてかなりの数の開発者を抱えている。その開発者のほとんどは,Windows上でプログラムを開発している。しかし,いざ運用となるとLinuxとApacheになってしまうことが非常に多い。今回の提携で,開発から運用までWindowsで済む環境を提供し,より多くの人にWindows Serverを使ってほしいと思っている」と語る。当面は企業のWebサイト案件にPHPを提案していくと同時に,レンタル・サーバー業者にWindowsサーバーの導入を進めていきたいとしている。「導入コストだけでなく,運用コストも冷静に考えてもらえれば,Windows ServerがLinuxサーバーに負けることはない」と田中氏はいう。