米IBMは米国時間4月2日,同社のアラビア語音声翻訳技術を米国政府に寄贈すると発表した。イラクに駐在する米国と連合軍の職員,一般市民,非政府組織のスタッフなどのコミュニケーションを支援し,安全性の向上を図ることを目的としている。
寄贈するのは,英語とアラビア語を双方向に翻訳するための自動翻訳機「Multilingual Automatic Speech Translator(MASTOR)」を1000台とソフトウエア1万本。病院などにおける利用を想定しており,英語5万単語とアラビア語10万語を認識して翻訳できるという。
米連邦議会の委託によりIraqi Study Groupが2006年12月に発行したレポートでは,イラクにおけるコミュニケーションの重要性を強調しており,この問題を最優先事項にするべきだと提言している。同レポートによれば,米大使館の職員1000人のうち,アラビア語を話せる職員の数は33人で,流暢に話せるレベルの職員は6人しかいないという。
IBMの会長兼CEO(最高経営責任者)のSamuel J. Palmisano氏は,「多くの場面で人間の翻訳者は必要不可欠だが,技術的なソリューションで問題を軽減できる場合もある」とコメントしている。
[発表資料へ]