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写真 モバイルビジネス研究会の第5回会合の様子
写真 モバイルビジネス研究会の第5回会合の様子
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 総務省は4月6日,販売奨励金やSIMロックの是非,MVNO(仮想移動体通信事業者)の促進策など,これからの携帯電話のビジネスモデルを議論する「モバイルビジネス研究会」の第5回会合を開催(写真)。同会合でイー・モバイルの千本倖生代表取締役会長兼CEOは,「固定通信のように,モバイルでも支配力の強い事業者に規制を設けるべき」との強硬な意見を披露した。

 その理由として千本会長は,携帯電話の市場が硬直化している現状を挙げる。「大手3社の体制に入った2000年以降,シェアの変動がほとんどなく競争が進んでいない。固定電話は通話料が3分8円などと安くなっているにもかかわらず,携帯電話は基本料や通話料がほとんど下がっていない」(千本会長)点を問題視した。

 さらに千本会長は,MVNOについても支配力の強い事業者に対して,低廉な卸料金の設定と約款化を要求する。「NTTドコモの通話料金は3分45円。我々の試算では3分15円でMVNOに提供するのが適正ではないかと考えている」。MVNOに提供する際の基本料は最低限の月額維持費用で回線数に関係ない固定額,通話料は秒課金,データ通信料は定額制を導入すべきとした。このほか「iモードのアンバンドル化を考えるべき」と,コンテンツの分離・分割も要求した。

 第5回会合では,イー・モバイルのほかに,マイクロソフトやACCESSなど4社もプレゼンテーションを実施した。

 マイクロソフトは,販売奨励金について「割賦販売の促進や販売奨励金を含まない料金プランの提供を義務化するなどして,段階的な縮小を促すべき」(楠正憲・最高技術責任者補佐)との意見を述べた。「新技術の普及促進に貢献している」と,一定の意義は認めながらも,「利用者負担の不公平感だけでなく,端末原価の高止まりや機器ベンダーの参入障壁にもつながっている」点が問題だとする。

 その一方で,SIMロックの解除については慎重な構えだ。「欧州ではSIMロックを解除しているからといっても,日本で成功するかどうかは別。事業者を限定しない端末も技術的には実現可能だが,開発費が高騰するので慎重な議論が必要。第4世代携帯電話(4G)の展開をメドにSIMロック規制を導入するのが良い」(楠氏)とした。

 またACCESSは,今後の携帯電話のビジネスモデルについて「コア・コンピタンスで競争し,それ以外の部分は協調して業界の成長につなげていくべき」(楢崎浩一執行役員)という考えを示した。楢崎執行役員が問題としているのは,携帯電話機の開発費の高さ。楢崎執行役員によると,1機種当たりの開発費は100億円以上で,開発期間は1年超,開発費などを含めた端末の単価は7万~8万円と言われているという。

 「こうした過酷な事業環境では,ハード/ソフトの両面で開発期間の短縮とコストの削減が喫緊の課題となっている。その一方で特異性を持った商品を作り続けていかなければ生き残れない」(楢崎執行役員)。そこで,今後はリソースの共用や共有,プレーヤ同士の協力が必要になってくると強調した。

 今回でオブザーバによるプレゼンテーションを終え,4月26日に開催予定の次回会合からは本格的な議論を開始する。