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 経済産業省は4月13日、「情報大航海プロジェクト」の委託先として、NTTドコモと日本航空インターナショナルの2社を採択したことを公表した。同プロジェクトは、大量のデジタル情報を検索/解析する技術と、それを利用したサービスを開発するもの。プロジェクト全体における今年度の予算46億円のうち、両社への委託で約10億円を投入する。

 NTTドコモは、携帯電話を利用した技術/サービスを提案。携帯電話を介して人の行動情報を蓄積し、高度な解析技術を使って、個人にマッチする情報/コンテンツを探し出して提供するものだ。日本航空インターナショナルは、社内に大量に蓄積した安全に関するレポートや気象データなど各種情報からトラブルの発生原因を分析するシステムを提案した。それぞれ2007年度内に一定の成果を出す。開発が成功すれば、両社とも実際の業務やサービスに活用するとみられる。

 NTTドコモの提案は、書籍販売のECサイトで用いられる“レコメンデーション・エンジン”に近い。単純にいえば、「過去の行動履歴から判断して音楽好きな人が、音楽イベントの会場に近づいたらその案内を表示する」といった形だ。ただ、行動情報解析はより複雑なものになる。

 この核となる技術は、ユーザーの行動履歴を解析して、次の行動を予測してその人に役立ちそうな情報を検索する「行動連鎖型検索エンジン」。行動履歴の解析のために、大量の行動情報から行動モデルを作成する。携帯電話の位置情報などを入力として、モデルを介して必要な情報を検索するわけだ。

 日本航空インターナショナルが提案したのは、「新総合安全運行支援システム」と名付けたもの。3年間での完成を目指しており、初年度は社内に大量に蓄積してある安全に関するレポートや運航情報などを集めて、傾向分析や要因分析、行動分析などを実行する。2年目には、乗務員のデータを含めて、乗務員ごとに分析できる技術を加える。さらに3年目には、機上の観測情報や気象情報など種々のリアルタイム情報を分析し、即時に分析結果を乗務員に知らせる技術を開発する。

 日本航空インターナショナルは、地上交通や電力業界など複数の企業と連携して、システム開発のためのタスクフォースを立ち上げる。事故未然防止システムの他社への普及浸透を図る。

 今回経産省が採択した2社は、サービスや技術を特定分野をターゲットに開発する「モデルサービス」として公募した第1弾。この4月には、各採択企業のプロジェクトから共通技術を抜き出して、基盤的な技術を開発するためのプロジェクトマネジメントを行う企業を採択する。これには、約20億円の予算をつぎ込む見込み。また、約16億円をかけて、NTTドコモや日本航空インターナショナルに次ぐ、新たなモデルサービスの開発企業を採択する。公募は4月下旬から開始する。

 情報大航海プロジェクトで開発した技術/サービスは、広く一般に利用できるようにする。さらに、情報収集の基盤を開発運営することや国際的な普及戦略も実施する。そのため経産省では、同プロジェクトを3年間継続する。