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写真1●慶大日吉キャンパスで実施中のエリア限定のワンセグ放送実験。キャンパス内のお役立ち情報などを配信している。番組は学生が作成した。
写真1●慶大日吉キャンパスで実施中のエリア限定のワンセグ放送実験。キャンパス内のお役立ち情報などを配信している。番組は学生が作成した。
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写真2●中庭付近に設置されているワンセグ送信用のアンテナ。半径100メートル内程度のエリアに向けて放送できるという
写真2●中庭付近に設置されているワンセグ送信用のアンテナ。半径100メートル内程度のエリアに向けて放送できるという
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 慶応義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構は4月16日から20日にかけて,同大学の日吉キャンパス内にてエリア限定のワンセグ放送実験を実施中だ(写真1)。

 日吉キャンパスの中庭と食堂付近に設置したアンテナ(写真2)から,半径約100メートル範囲内にワンセグ端末向けの放送番組を配信する仕組み。実験に当たっては総務省の関東総合通信局から実験局免許を得た。電波の出力は約1ミリワット程度。システムは,同大学と日立製作所,エリアポータルが協力してシステムを構築した。

 放送番組は同大学経済学部の武山研究室に所属する学生が中心となって作成した。図書館の使い方などの情報系コンテンツのほか,同大学の“トリビア情報”を取り扱ったバラエティ色豊かな番組などもそろえている。

 今回の実証実験の目的について同大学の武山正直経済学部准教授は「キャンパスの学生生活を充実させるような,地域に密着した放送コンテンツの可能性を探る研究の一環」と語る。伝送技術の検証も実験の目的の一つだ。今回の実験ではIP網を放送番組の中継経路として利用する試みも合わせて実施している。具体的には同大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)の固定カメラ映像を,三田キャンパスを経由して日吉キャンパスへと伝送する際に,中継網としてIPネットワークを利用している。安価で汎用性のあるIPネットワークを活用して,映像の伝送システムを作ることが狙いだ。

 エリア限定のワンセグ配信システムについては,先日富士通が発売した「スポットキャスト」も存在する(関連記事)。こちらは微弱電波を扱うことで,放送免許を不要にした点が今回のシステムと違う。

 今回のシステムを構築したエリアポータルの加藤洵一代表取締役は「ある程度の広がりを持った地域に向けて放送するには,放送免許が必要なシステムが求められる」と語る。現在は制度面の制限から実験局免許しか得られないが,2008年度末には実サービスを展開できるように,制度面で調整していきたいという。