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図1●「R&D press briefing」の様子
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図2●インテルのJustin Rattner CTO
図2●インテルのJustin Rattner CTO
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 インテルが市場,生産拠点,そして研究開発拠点としての中国に多大な期待を寄せている。4月16日,インテルは中国・北京で,記者向けに研究開発の方向性と最新動向を紹介した(図1)。Justin Rattner CTO(最高技術責任者)は最初に「インテルにとって中国とは,市場,生産拠点,そして重要な研究開発拠点だ」と強調した(図2)。

 同社は17日と18日に開発者会議「Intel Developer Forum(IDF)」を北京で開催する。同社は毎年,IDFを春と秋に世界各地で開催してきた。2006年までは米国と日本でも春にIDFを開催していたが,今年は開催せず,4月の北京,9月の米サンフランシスコ,10月の台北の計3回を計画している。

 インテルは中国での大規模な施策を立て続けに打ち出している。3月末には,中国に半導体製造工場を建設すると発表した。これまでインテルは22年間の中国における活動で13億ドル以上を投資してきており,今回の投資を合わせると40億ドルになるという。工場は2010年前半に稼働開始の予定(参考:インテルのプレスリリース)。こうした中国への投資拡大がIDFの「中国シフト」に表出した格好だ。

 Rattner CTOは「インテルにおける研究の役割は,ハイリスクだが見返りの大きい『イノベーション・パイプライン』を作ること。現実のビジネスは揺れている。その中で,インテルが前に進むための源泉(ソース)やアイデアを作るのが研究開発だ」と,改めて研究開発の重要性を位置づけた。

 Rattner CTOが挙げた今後注力する研究開発領域は,(1)メモリー/ストレージ技術,(2)無線通信技術,(3)電力消費を抑えつつ処理性能を確保できるプラットフォーム技術,(4)UMPCなど新型プラットフォームを実現する技術(UMPCの関連記事),(5)テラスケール・コンピューティングの五つ。

 こうした研究を進めていく上で,インテルは大学や国の研究機関との連携を重視している。「インテルはここ5年ほど,学術研究機関との連携を大切にしている。最近の特に大きな成果となったハイブリッド・シリコン・レーザーは,米カリフォルニア大学サンタバーバラ校との共同研究だ(研究成果の関連記事)。ここ中国でも清華大学などと研究開発を進めている」(Rattner CTO)。

地元への貢献や人材発掘にも注力

図3●インテル中国のWen-Hann Wang氏
図3●インテル中国のWen-Hann Wang氏
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図4●インテル中国が研究を進めている動画解析技術「Video Mining」
図4●インテル中国が研究を進めている動画解析技術「Video Mining」
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図5●インテル中国のJohn Du氏(Intel China Research Center General Manager)
図5●インテル中国のJohn Du氏(Intel China Research Center General Manager)
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 続いてインテル中国のWen-Hann Wang氏(Software & Solutions and Product Development部門のGeneral Manager)が,インテル中国における研究開発戦略について紹介した(図3)。最初にWang氏は「インテル中国は,昔は単なる『job shop(職業紹介機関)』でしかなかったが,今はイノベーション・センターとしての役割を果たしている」と,その発展性を強調した。

 インテル中国の研究開発センターの設立は1993年。現在力を入れている研究開発テーマは,テラスケール・コンピューティングやモバイル・コンピューティングなどインテル全体の研究開発方針に沿ったもの。またインテル中国では「マルチコア,メニー(many)コアだからこそ実現できるアプリケーションの研究開発に力を入れている」(Wang氏)。

 その例として,大学と共同で研究を進めている動画解析技術「Video Mining」を紹介した。サッカーの試合の動画を解析し選手の顔や挙動の特徴から特定の選手を判別する,といったことを可能にするものだ(図4)。Intel China Research CenterのGeneral ManagerであるJohn Du氏はコアやスレッドを増加させるごとに処理性能が上がることを示しながら,「マルチコア,メニーコアが生かせるアプリケーションの好例だ」と説明する(図5)。

 Wang氏は「インテル全社への貢献だけでなく,中国という地元への貢献も欠かせない」と述べる。例えば,地元のコンピュータ・メーカーのニーズを汲みつつ,最終製品を組みやすいプラットフォーム技術の開発に力を入れている。また,「国内で『ITタレント(才能のあるIT人材)』の発掘のため,教育機関との連携も積極的に進めている」(Wang氏)という。

(高下 義弘=ITpro)


■変更履歴
「Job Shop」の内容説明を,より正確なものに変更しました。 [2007/04/20 18:50]