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図1 Justin Rattner氏
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図2 プロセス・ルールの微細化計画
図2 プロセス・ルールの微細化計画
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図3 新製品投入計画の全体像
図3 新製品投入計画の全体像
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 「あなた自身がイノベーターになるこれからの時代,ますます強力なPCとそれを支えるプロセッサが必要になる」。米インテルのCTO(最高技術責任者)であるJustin Rattner氏は,「Intel Developer Forum(IDF)」(中国・北京で開催中)の基調講演でこう切り出した(図1)。米『TIMES』誌が2006年の「Person of the Year」に「You(あなた)」を選んだことに絡めた発言である。「個人1人ひとりが社会を牽引する時代に入った今,それを支えたのはコンピュータとネットワークだ。You(あなた)がイノベーターとなる時代に,ITはますます重要な存在になる」と力説した。

 この講演のなかでRattner氏は,IDFの開催地である中国について「市場,生産地,そして研究開発拠点として非常に重要な地域」としたうえで,インテルが中国の学術研究機関や企業との連携を進めていると説明した。中国の信息産業部とコンピュータ・メーカーのGreat Wall社の首脳陣も登壇し,ファームウエアの共同開発の成果を紹介した。Great Wall社製のパソコンはこのファームウエアを使ってセキュリティ機能を強化している。ハードディスクを丸ごと暗号化しているため,他のPCにハードディスクを移してもデータを読み出せないという。この機能をその場のデモンストレーションで披露した。

 今年のインテルの目玉は,下半期に出荷する新しいプロセッサ製品群「Penryn(ペンリン)」ファミリー。45nmに微細化した製造プロセス・ルールをx86系プロセッサで初めて採用し,消費電力の増加を抑えつつ,処理性能の向上を狙う。インテルは製造プロセス・ルールの微細化をさらに進め,2009年には32nmによるプロセッサ製品の製造を始める計画だ(図2)。

 インテルは自社プロセッサの開発・製造戦略を「Tick-Tock」モデルと表現している。新しいプロセッサ製品群を開発・製造する際には,「製造プロセス・ルールの微細化」と「新しいマイクロアーキテクチャの採用」のいずれかの施策を選択するというものだ(図3)。ハードルの高い新技術を採用することに伴うリスクを抑えつつ,新製品を速やかに投入するのが狙いである。

 2007年後半に投入するPenrynは45nmへの微細化を軸に据えた。2008年に投入するプロセッサでは,45nmの製造プロセス・ルールをベースにして,新アーキテクチャ「Nehalem(開発コード名:ネハレム)」を採用する。

2009年に投入する「Westmere」はPenrynと同じように製造プロセス・ルールの微細化を狙い,今度は32nmに縮小。2010年に投入する「SandyBridge」では,32nmの製造プロセス・ルールをベースに,新しいマイクロアーキテクチャを採用する計画だ。Rattner氏は「2010年には,1ワット当たりのプロセッサ処理性能は現在の300%以上にも達する」と宣言した。

 これまでインテルは春と秋に,日本を含めた世界各地でIDFを開催してきた。これまで春に開催していた日本では今年は開催せず,4月の北京,9月のサンフランシスコ,10月の台北の計3回・3カ所に集約した。「今回のIDFは,国際的なものとしては米国外で初めての位置づけ」(インテル中国・バイスプレジデントのIan Yang Vice氏)という。