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写真1●米MozillaのAlex Faaborg氏
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写真2●「Webを傷つけないためにオープンな標準の採用を」と訴えかけるFirefoxのマスコット
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 「HTMLの内容(コンテンツ)は人間には意味が理解できるが,機械には理解できない。Firefoxのエラー・メッセージは人間も機械も理解できない(笑)。人間であっても機械であっても理解できるデータ形式がMicroformatsだ」──。米Mozillaで「Firefox 3」のユーザー・インタフェース・デザインを担当しているAlex Faaborg氏(写真1)は,サンフランシスコで開催中の「Web 2.0 Expo」で,Firefox 3が標準で対応するデータ形式「Microformats」をこう表現した。

 Microformatsとは,「既存の広く受け入れられている標準技術を基にした,シンプルでオープンなデータ形式」(microformts.orgの説明より)。要するに,アドレス帳のデータや予定表のイベント・データ,地図情報,商品に関するレビュー情報などの情報を「オープンかつシンプルなデータ形式」で記述しておけば,人と人との間でのデータのやり取りや,アプリケーション間でのデータのやり取りが容易になる。これがMicroformatsの存在意義であり,目的であるという。

 「Webをこれ以上傷つけないためには,オープンな標準を使うべき」。Faaborg氏は写真2のようなイラストを示しながら,Microformatsの意義を訴えた。

 では実際に,次期バージョンの「Firefox 3」がMicroformatsに対応することによって,どのようなことが可能になるのだろうか。セッションでFaaborg氏は,具体例を示して説明した。

写真3●Microformatsに対応していないWebページの例
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 例えば,既存のWebページの中にも「このリンクをクリックすると,他の予定表アプリケーションにデータを登録できます」といった仕組みを持つものがある(写真3)。しかし,予定表アプリケーションによってデータ形式がバラバラなので,多くのアプリケーションに対応するには,写真3のように「Add to iCal Calendar」「Add to Outlook Calendar」「Add to Yahoo! Calendar」「Add to Google Calendar」「Add to 30 Boxes」といったリンクをWebページに複数用意する必要がある。

写真4●Microformatsに対応したWebページの例
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 それがMicroformatsに対応すると,予定表アプリケーションと連携できるWebページは写真4のような姿になる。写真4はイベント情報(2007年4月16日午後7時30分から「Web 2.0 Expo Meetup and Drinkup」というイベントを行う)と,イベントの場所の情報(「House of Shields」というレストラン)が記されたWebページで,「イベント情報」と「場所の情報」はそれぞれMicroformatsで記述されている。イベント情報は「hCalendar」という形式,場所の情報は「geo」や「adr」といった形式だ。

 Firefox 3は,Microformatsで記述されたデータを自動的に見つけ出す。そしてユーザーがメニュー・バーにある緑色の「+」ボタンをクリックすると,「イベント・データをiCalに登録する」「場所の情報をGoogleマップで検索する」といったメニューが現れ,これらの動作ができるようになる。従来のように予定表アプリケーションと連携する仕掛け(リンク)を,コンテンツ領域に設ける必要はない。

 また,現行のFirefoxにおけるRSS実装のように,アドレス・バーの右隅に「+」のボタンを配置したり(写真5),コンテンツ中に「+」ボタンを配置して,どのアプリケーションと連携させるかを選べる(写真6)ような実装にする予定もあるという。

 
写真5●アドレス・バーの右端にMicroformatsボタンがある例
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  写真6●コンテンツの中にMicroformatsボタンがある例
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 なおMozillaでは,現行のFirefox用のMicroformats対応プラグインである「Operator」を「Mozilla labs」で公開している。現行のFirefoxでも,Microformatsが利用できる。

 Faaborg氏によれば,MicroformatsによってWebブラウザで閲覧するデータが,様々なアプリケーションと連携可能になるという(写真7)。「ブックマークと『進む』『戻る』しかない1993年のブラウザは『ブック』にすぎなかった。RSSに対応して『購読』できるようになることで,2005年のブラウザは『ラジオ』に進化した。そしてMicroformatsに対応した2008年のブラウザは,情報を交換する『スイッチングボード』になるだろう」。Faaborg氏は,Microformatsによるブラウザの進化をこうした比喩を使って説明した(写真8)。

 
写真7●Microformatsで連携できるアプリケーションの例
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  写真8●Microformatsに対応することで,ブラウザは「スイッチングボード」になる
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