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 富士通システムソリューションズ(Fsol)は4月25日に,アプリケーション開発支援ツール群「QuiQpro」の新版Ver13を出荷開始する。前版のVer12を全面的に書き換えて,大規模なアプリケーションの開発や,分散した拠点での開発を容易にするための機能強化を図った。加えて,リッチ・クライアント型のアプリケーションを開発するためのツールを新たに追加した。

 QuiQproは,DOA(データ中心アプローチ)に基づき,データ項目やエンティティ,入出力情報などの設計情報からアプリケーションのソースコードを自動生成するためのツール。ColdFusion向けの「QuiQpro-Web」,J2EE(Java EE)に対応した「QuiQpro-Java」,.NET Frameworkに対応した「QuiQpro-.NET/Web」などがある。

 前版のVer12はVisual Basicで開発されており,設計情報を格納するデータベースとしてAccess(MDB)を利用していた。このため,C/S(クライアント/サーバー)型の開発形態で,開発者が数十人,開発費用が数億円規模のプロジェクトを中心に使われていた。ところが「昨年から適用の規模が大きくなり,50人から100人,数十億円のプロジェクトでも利用されるようになってきた」(SI技術本部の川端功微統括部長)。

 そこでFsolは,約300万ステップに及ぶQuiQproを全面的に書き換えることを決定。2年を費やして開発したVer13では,マイクロソフトが提唱するリッチ・クライアント技術である「スマート・クライアント」を利用するとともに,リポジトリとして使うデータベースをSQL Serverに代えた。同時に,ユーザーが必要に応じて設計情報を登録できるようにしたり,セキュリティ機能を強化するなど,リポジトリを強化した。その結果,Webを介して分散拠点での開発を可能にするとともに,大規模開発に耐えられるようにした。

 さらに,インタプリタ型だったプログラムの自動生成機能をコンパイル型に刷新し,自動生成に要する時間を10分の1程度に短縮。設計を変更したときにどの部品やソースコードに影響を及ぼすかを分析する設計変更分析機能も,すべてのツールに搭載した。従来は,QuiQpro-Webのみこの機能を備えていた。日本版SOX法への対応を支援するため,リポジトリを参照や更新できるユーザーを限定したり,アクセス・ログを保存する機能も追加した。

 Ver13から,スマート・クライアント形態のアプリケーションを開発するための「QuiQpro-.NET/Win」を新たに追加した。同時に,QuiQpro-Web,同Java,同.NET/WebのVer13も投入する。価格は,QuiQpro-NET/Winの場合,開発キットが60万円(税抜き,1ユーザー)。実行ライセンスは.NET 1サーバーで10万円が必要になる。2008年3月までに売り上げ5億円を目指す。