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三澤智光常務執行役員システム製品統括本部長
三澤智光常務執行役員システム製品統括本部長
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 日本オラクルは4月24日、ID管理製品群「Oracle Identity Management」の販売体制を強化すると発表した。「日本版SOX法への対応を背景に、ID管理市場が指数関数的な勢いで急速に立ち上がりつつある動きに対応する」(三澤智光常務執行役員システム製品統括本部長)。販売パートナーの育成を推進するほか、海外で先行する大規模事例からノウハウを導入したり、導入期間の短縮とコスト削減を実現するためテンプレート化を進めるなどの強化策を打ち出した。

 まずは現在70人いる販売パートナーのエンジニアを今後1年かけて300人に増強する。具体策は二つある。一つはID管理製品に特化したパートナーコミッティを発足すること。当初はアクシオやエクサなど、これまでID管理製品の導入を手がけてきた販売パートナーを中心に15社が参画する。日本オラクルは今後、参画パートナーを25社に増やしていく考えだ。

 コミッティでは、米オラクルの開発責任者との定期ミーティングを設け、最新の製品情報や機能拡張などの意見をやり取りできるようにする。また毎月定例会を実施し、販売パートナー間での情報共有を促す。そのほか、販売パートナーが開発したオプション機能を他の販売パートナーでも利用できるように相互利用を促進したり、米オラクルから講師を招いた特別トレーニングメニューを提供する。

 具体策の二つめは、ID管理製品向けの教育プログラムを用意すること。第1弾として、ID管理製品「Oracle Identity Manager」に対応した「管理3日間コース」を2007年5月29日から提供する。続いて、同製品の「Idenntity Provisioning 開発コース」、ユーザーディレクトリの統合管理製品「Oracle Virtual Directory」に対応した「管理コース」、アクセス管理製品「Oracle Access Manager」に対応した研修コースを、順次開設していく。

 販売パートナーのエンジニアを育成していく一方で、経験不足を補うためのノウハウの蓄積と、短期/低コスト導入を支援するテンプレートを開発する体制を整えていく。ノウハウについては、大規模導入の実績を持った海外のコンサルティング会社と提携し、共同で導入作業を進めていく中で蓄積できるようにする。テンプレートは、日本オラクルが「OIM Accelerator for HRM」を開発。初期導入でID管理の適用業務やシステムを絞り込みながら、段階的に適用範囲を広げられるようにする。

 日本オラクルは、昨年4月18日に同製品群の販売戦略を発表している。その後、社員数の規模で5000人以上の大企業をターゲットに販売活動を展開してきた。ところがID管理に対する関する関心と認知は、内部統制をきっかけに急速に向上。日本オラクルでは「既に営業/技術担当者で構成する計30人の専任部隊では対応し切れないほど案件を抱えている状況で、専門リソースの不足が顕在化してきた」(三澤常務)。そこで、販売パートナーの育成を中心とした販売戦略の大幅な強化が必要になった。

 日本オラクルは、ここ1年間で150件以上の案件を手がけ、30件以上の商談をクローズさせてきた。新会計年度が始まる6月1日からの1年間では、案件数、受注数とも倍増を狙っている。