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写真1 米マイクロソフト ウインドウズサーバー部門ゼネラルマネージャのビル・レイン氏
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写真2 米マイクロソフトの次期サーバーOS「Longhorn」(開発コード名)のロードマップ
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 マイクロソフトは2007年4月26日,2007年後半に製品出荷を予定する同社の次期サーバーOS「Longhorn」(開発コード名)の最終ベータ日本語版の提供を始めた。これに合わせて都内でユーザー企業向けのセミナーを開催。ロードマップや互換性のポイントなどを説明した。

 セミナーの基調講演に登壇した米マイクロソフト ウインドウズサーバー部門ゼネラルマネージャのビル・レイン氏(写真1)は,「英語版,ドイツ語版,そして日本語版の三つのビルドが今朝出来上がったばかり」と最終ベータ版の提供開始を宣言。2007年後半の出荷予定を改めて強調しながら(写真2),「管理負担を軽減し,ユーザーがより新しいことにチャレンジできるOSの開発に注力してきた」とLonghornの設計思想を語った。

 Longhornのシステム・プログラムは,2006年11月から出荷を始めているWindows Vistaとほぼ同じ。ただしLonghornのみの機能としては,サーバー稼働中のCPU/メモリー増設・交換のサポートや,デスクトップ画面を構成するプログラムを極力省いた「Server Core」,デスクトップ画面全体ではなくウインドウ単位で画面転送型のシン・クライアントを利用できる新ターミナル・サービスなどを挙げた。

社内テストで判明した互換性のポイントを披露


写真3 ウインドウ単位で画面をサーバーからクライアントに転送できるターミナル・サービスの新機能「TS RemoteApp」で検証すべき互換性のポイント
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写真4 サーバー上で実行中のアプリケーションの画面をシン・クライアント上で使う際に日本語入力するデモ。サーバー側の言語バーが別に表示される。サーバー側アプリへの日本語入力はクライアント側のIMEではなく,サーバー側のIMEで処理される
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写真5 Longhornへの乗り換えで支障が出る可能性がある仕様変更の例
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 基調講演後のセッションでは,マイクロソフト ディベロップメント ウインドウズ開発統括部の山下慶子氏がLonghorn最終ベータ版の評価で起こり得る互換性の問題を紹介した。

 まずServer Coreでは,アプリケーションでよく使われるコモン・ダイアログなどシェルに関連するプログラムを呼び出す場合に,動作に支障が出るとした(写真3)。また.NET Frameworkを含まないため,.NET Framework用の中間言語のバイナリは動作しないという。使えるプログラムとしては,日本語入力に使うIME,Windowsインストーラ(msi),メモ帳などを挙げた。

 ウインドウ単位で画面をサーバーからクライアントに転送できるターミナル・サービスの新機能「TS RemoteApp」については,Windows XPでも同機能用の拡張モジュール「RDC 6.0」をインストールすることで利用できるという。同社によるテストでは「互換性の問題は見つかっていないが,ウインドウを生成するexe(実行ファイル)が別のexeと連携する場合は動かないケースがある」と,一部のアプリケーションではプログラムを改変する必要がある点を指摘した。

 また,TS RemoteAppでエンドユーザーが戸惑いそうな仕様として挙げたのが,言語バーの扱いだ。例えばサーバー側でWordを実行すると,サーバー側の言語バーがクライアントのデスクトップ画面に表示される。サーバー側のWordに入力する際はこの言語バー(IME)を使うことになるが,ここで施した設定変更などはデスクトップ側のIMEには反映されない。つまり,サーバー側とデスクトップ側でIMEを使い分ける格好になる(写真4)。完全にデスクトップ画面が分かれていた従来のターミナル・サービスでも同様だったが,シームレスであるがゆえに混乱する可能性があるとした。

 そのほか,WebDAVのサポート中止や,Active Directoryのサービス名の変更に伴いハード・コーディングでは互換性に支障が出ることなどを紹介してセッションを終えた(写真5)。