PR
写真●NTTドコモの中村維夫社長
写真●NTTドコモの中村維夫社長
[画像のクリックで拡大表示]

 NTTドコモは4月27日,2007年3月期の連結決算を発表した。2006年度通期の売上高は前年度比0.5%増の4兆7881億円,営業利益は同7.1%減の7735億円で,増収減益となった。営業利益は通期予想の8100億円を400億円ほど下回る結果になった。その理由について同社の中村維夫社長(写真1)は,「番号ポータビリティ(MNP)開始の影響で,端末販売の台数が110万台ほど予想を上回り,販売に関わるコストが増したのが原因」とした。

 2008年3月期の見通しは,ARPU(1契約当たりの月間平均収入)がゆるやかに減少していることを反映し,連結の売上高が前期比1.3%減の4兆7280億円。営業利益は,端末販売台数が2005年並みに落ち着き代理店などへの手数料が下がる予想から,0.8%増の7800億円とした。

 ドコモは2006年10月に始まったMNPによってトータルで63万の純減を記録した。中村社長は「決していい結果ではない。ドコモは高いというイメージを払拭できなかった。またFOMAを始めた時のつながらないという印象が残っているのが原因ではないか」(同)と,MNP後の不調を分析した。

 ただ今後の戦略については,過度の料金競争へ進むことへの疑問を投げかけた。「わずかな純増数しか予測できず市場が飽和している今,しゃかりきな競争とは違う視点でやっていきたい」(同)。具体的には,Super3Gによるネットワークの高度化や,アジア地域などグローバルな視点で他国の事業者とアライアンスを組むといった方向性を挙げた。

 また先日発表した904iシリーズにも触れ,「これまでドコモは他社への“競争対抗”というスタンスだったが,今後は一歩先へ行く」(同)と,攻めの姿勢も強調。特に904iシリーズに搭載した1台の端末で2つの電話番号を実現する「2in1」機能こそ「一歩先へ行く機能」(同)とし,サービスに対して自信を見せた。

フェムトセルの開発にも言及

 なお決算説明のプレゼンの中で,ドコモが超小型の3Gの基地局である「フェムトセル」の開発を進めていることも明らかになった。ビル内に設置する小型基地局を使って構内で無料通話を実現する「OFFICEED」の先の技術として,2007年後半にかけて開発を完了する方針という。中村社長は,ドコモが考えるフェムトセルのサービス像について「(固定電話を携帯電話が代替えする)FMS(fixed mobile subsutitution)サービスの形になるだろう。基地局は家庭内に置くことになるが,日本では誰が置くのかということが問題になる。技術的には可能になりつつあるが,まだビジネスモデルは見えていない」と語った。

 また決算発表に合わせて,PHS事業を2008年1月7日に終了することも明らかにした。旧NTTパーソナルから引き継いで約9年間に渡った事業に終止符を打つ。引き継ぎ策として,現在ドコモのPHSを利用しているユーザーに対し,無料でFOMA端末などに交換する。さらに10月以降,High-Speed対応FOMA端末を使った64kビット/秒の定額パケット通信を新たに開始する。基本使用料は月額4200円。このほか,ウィルコムへユーザーを引き継ぐことも検討しているという。