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 米連邦最高裁判所は,米Microsoftと米AT&Tが係争中の特許侵害訴訟で,Microsoftに有利な判断を下した。Microsoftが米国時間4月30日に明らかにしたもの。「IT業界全体にとって重大な採決だ」(同社上級副社長兼顧問弁護士のBrad Smith氏)。

 この係争は,AT&Tが起こした2001年6月の特許侵害訴訟に端を発する。Microsoftは,海外販売用Windowsソフトウエアを供給する場合に,マスター・ディスクを国外の契約業者に輸出し,契約業者が Microsoftとのライセンスに従ってこれを複製し,海外販売向けコンピュータにインストールしていた。AT&Tは,この国外で複製したWindowsソフトウエアに同社の音声コーデックに関する特許が組み込まれているとして提訴した。

 Microsoftは,1)ソフトウエアは無形物であり,特許法271条f項でいう特許発明の「コンポーネント」に当たらない,2) Windowsソフトウエアが「コンポーネント」であったとしても,国外で作成したものであるため,特許法271条f項で示す「米国から供給されたコンポーネント」ではないとして,特許侵害の責任を否定した。

 しかしニューヨーク州南部連邦地方裁判所は2004年5月にAT&Tの主張を認める判決を言い渡した。Microsoftは控訴したが,米連邦巡回控訴裁判所は地裁の判断を支持。控訴裁は,「米国外で製造されたWindows製品であっても,Microsoftが特許侵害の責任を負うべき」との判断を下した(関連記事)。

 Microsoftが控訴裁の判断に異議を唱え,2007年2月に最高裁で口頭弁論が始められた(関連記事)。

 米メディアの報道(InfoWorld)によると,今回,最高裁は「Microsoftが国外の製造業者に渡したマスター・ディスクまたは電子形式の伝送物そのものは国外で製造されたパソコンに使用されていないため,特許侵害にはあたらない」と結論づけたという。

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