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 米IBMは,LSI配線間の絶縁を分子の自己組織化現象で確保する技術を開発した。IBMが米国時間5月3日に明らかにしたもの。

 自己組織化は,ある種のポリマー(重合体)分子が自然に集まり,規則的な構造を作り出す現象。自然界では,貝殻や雪の結晶,歯のエナメルなどが,自己組織化で形成される。IBMは,半導体メモリー素子の製造に自己組織化を応用する手法も研究している(関連記事

 自己組織化による絶縁は,配線に使うナノ・メートル程度の各銅ワイヤーの周囲に数兆個の微細な真空の“穴”を形成し,これを空隙として使うことで実現する。この手法で作れる空隙の大きさは,「現在のリソグラフィ技術で形成可能なサイズに比べ,相当小さい」(IBM)。

 新開発の手法は,標準的なCMOS製造装置を刷新せず導入できる。IBMによると,絶縁性が向上する結果,LSI内の信号速度が35%高速化し,消費電力が15%少なくなるという。

 自己組織化による絶縁技術は,ニューヨーク州イーストフィッシュキルの半導体工場で導入を始めており,2009年より量産プロセスに適用する予定。

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