富士通は,FC-SANストレージのエントリ機種「ETERNUS2000」全3モデルを,2007年5月9日に販売開始した。2007年8月31日から出荷する。価格は,ディスクを12本搭載可能で最大容量9Tバイトの「モデル50」が99万9000円(税別)から,ディスクを24本搭載可能な「モデル100」が188万円(税別)から,72本搭載可能な「モデル200」が425万円(税別)から。
ETERNUS2000は,富士通が開発したSANストレージで,すでに出荷している上位機種「ETERNUS8000」および「同4000」の製品ラインを,最大容量が数十Tバイトというローエンド市場へと拡大した製品である。中小企業におけるデータ・バックアップ用途などに向く。現在,国内のローエンドSANストレージ市場で富士通のシェアは6.5%と低いため,「エントリ機種の追加によってシェアを拡大する」(ストレージシステム事業本部長の上田孝一氏)のが狙い。
ETERNUS2000の主な特徴は,RAIDコントローラの1チップ化などにより,小型化と低消費電力化を図っている点である。モデル50では,高さ2Uのラックマウント型きょう体にRAIDコントローラ2系統と,3.5インチのディスクを12本搭載できる。ディスクはSASまたはSATA。同一きょう体内にSASとSATAを混在させ,業務用途に高速なSAS,バックアップ用途に大容量のSATA,という使い分けが可能である。
ローエンド市場向けのエントリ機種でありながらSANの接続インタフェースをFC(FibreChannel)に限定した理由は,「実態として国内ではiSCSIはあまり盛り上がっていない」(ストレージシステム事業本部ストレージシステム事業部長の工藤哲郎氏)から。需要に合わせて,上位機種と同様にiSCSIインタフェースを追加するという。