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写真1 WinHEC 2007で講演するクレイグ・マンディ氏(撮影:刀根 裕司)
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写真2 ITに馴染みのないユーザーでも使える薬の自動認識システムをデモ(撮影:刀根 裕司)
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写真3 ビデオガイダンスを使って遠隔地のユーザーに提供する医療サービスをデモ(撮影:刀根 裕司)
写真3 ビデオガイダンスを使って遠隔地のユーザーに提供する医療サービスをデモ(撮影:刀根 裕司)
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写真4 開発途上国を想定した医療向けコンピューターキオスク(撮影:刀根 裕司)
写真4 開発途上国を想定した医療向けコンピューターキオスク(撮影:刀根 裕司)
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 米マイクロソフトの先端技術研究所マイクロソフト・リサーチ所長兼チーフ戦略オフィサーのクレイグ・マンディ(Craig Mundie)氏は、「今後の核となる開発は医療と教育分野、節電技術にある」と述べて基調講演を始めた(写真1)。

 マンディ氏がデモで見せたのは、高齢者や開発途上国のユーザーなど、技術に詳しくないユーザーに対して、どのように医療サービスを提供するかというもの。高齢者に対する取り組みとして、テーブルの上に置いた薬品を光学システムが認識し、毎日正しい分量の薬品を確認できる技術を披露した(写真2)。

 開発途上国を想定した取り組みとしては、ユーザーごとの医療サービスを、携帯電話やコンピューターキオスクを利用したビデオガイダンスによって提供する技術を見せた(写真3、写真4)。

 読み書きのできないユーザーに対しても配慮し、ピクトグラム(絵文字など)のアイコンを使って、病気の症状の報告や対処方法の指示するインタフェースを開発していることを公表。このインタフェースには、医療デバイス会社であるマイクロニクスが開発した、遠隔地から血液検査を行う技術も接続できる。こうした試みは、ゲイツ財団が力を注いでいる世界の医療サービス向上をサポートするものである。

 「パソコンを所有し、技術と親和性のある裕福な人口は20億人とされるが、マイクロソフトの今後の課題は、それ以外の50億人への浸透である」とマンディ氏は語る。このために、携帯電話をパソコン並みに活用すべきであり、携帯電話をキーボードやテレビモニターなどと接続する技術、およびパソコンなしに既存の機器と結び付ける技術が必要だと強調した。

ムーア法則が限界を迎える

 マイクロプロサッサーの進化の未来像についても触れた。マンディ氏は、ムーアーの法則が加熱問題によっていずれ限界を迎えるとし、マルチコアCPUがそれに取って代わると主張。デスクトップ、ウルトラモバイル、サーバーなどが、それぞれの利用目的に適合した数のコアを統合するとした。

 これによって、システムはますます複雑化する。マンディ氏は「今後のチャレンジは、並列で非同期のシステムをどう安全に確立するかだ」と言う。これまでの常識に反して、この多様なデバイスのエコシステムでは、アプリケーションが緩やかに結びつき、非同期のオペレーションと拡散型の処理が必要とされ、それが初歩的な知識しか持たないユーザーでも管理できるようにすることが求められる。

コンピューティング新時代

 マンディ氏は「高生産性コンピューティング」の構想についても語った。今後、パソコンにスーパーコンピューター並みのパワーが搭載されれば、システムのアイドル時に「予測化機能」を動かすことが可能になるはずだという。

 予測化機能には、ユーザーが次に何をしようとしているかを予測して次のアプリケーションを呼び出す技術、音声や視線などの人間的な方法でデータ入力を可能にする技術、あるいはユーザーのこれまでの操作からシステムをパーソナル化する技術などが含まれる。

 これまでコンピューティングは、パーソナル化と中央集権化で揺れてきた。現在のように、「双方の重要性が認識されて中間でバランスの取れた状態にあるのは初めてのこと」だとマンディ氏は言う。複雑なサービスを処理するメガデータセンターと、高度にインテリジェント化されたパーソナルデバイスの両方を同時に推進する必要があり、そのなかで、マイクロソフトは次世代の戦略を「ソフトウエア+サービス環境の確立」だと見定めている、という。