10Gビット/秒のイーサネットの製品が数多く見られる「Interop Las Vegas 2007」の展示会場。だが、標準化団体は早くも一桁上の100Gビット/秒版イーサネットの議論を始めている。Interop Las Vegasでは、米ファウンドリ・ネットワークスのハードウエア・エンジニア部門のジョン・バーガー副社長が、その最新の活動内容を報告した。関心が高く、会場となった宴会場の収容数を超える展示会来場者が同氏の講演に耳を傾けた。
100Gビット/秒版イーサネットを検討するのは、IEEE802.3のHSSG(ハイスピード・スタディグループ)。2006年に7月に結成され、現在はPAR(標準化承認依頼)が検討されている段階にある。PARが承認されれば、作業部会は「タスクフォース」と名前を変え、実現方式の検討に入る。PARの承認は9月が見込まれ、規格が完成するのは、現時点では09年11月が予定されている。
PARは、「市場性」「互換性」「独自性」「技術的な実現性」「経済面での実現性」の5項目に関して、参加者が意思統一するために定められる。新規格が製品に実装されることなく“お蔵入り”にることを防ぐためである。
気になる実現方式について、バーガー氏は今回の講演で、送受信部全体を光通信部、物理・MAC層処理部、パケット処理部、トラフィック管理部に大別するモデルを示した。光通信部では、マルチモードのリボンファイバとVCSEL(安価な面発光レーザ)アレイを採用する短距離通信向けのものと、シングルモード・ファイバとCWDM(低密度の波長分割多重)技術を組み合わせた長距離通信向けの2種類を提示した。それぞれ、10Gビット/秒×10、25Gビット/秒×4のシステムである。1光源当たりの信号速度を抑えることでCMOS技術が利用できるようにし、価格を抑えたいという狙いがある。