NTT持ち株会社は5月24日,NTTサービスインテグレーション基礎研究所がテレビ電話サービスの総合品質評価モデルを独自に開発し,「ITU-T勧告G.1070」として国際標準規格に採用されたと発表した。
同モデルは,テレビ電話の映像や音声をユーザーが体感する品質を推定し,サービス品質の設計や管理を支援するための仕組みである。符号化方式や符号化ビットレート,パケット損失率,遅延時間,音量,映像解像度などの「パラメータ」を入力することによって,音声品質と映像品質の推定値を算出する。これらの値と,テレビ電話使用時の音声と映像の遅延時間から,ユーザーが体感する総合的なサービス品質の推定値を5段階評価で出力する。
これまで,テレビ電話サービスの品質を評価するには,人間が実際にテレビ電話を使ってチェックする必要があった。評価モデルを使えば,机上で客観的に評価することができるようになる。
評価モデルは,メーカーやサービス事業者が高い品質のテレビ電話サービスを開発するために活用したり,提供中のサービス品質を評価したりするのに役立つ。NTTは,2007年度中に商用化する予定のNGN(次世代ネットワーク)上でのテレビ電話の普及を見込んでおり,「品質設計や管理で総合評価モデルを適用すれば,NGN上のテレビ電話サービスの品質を高めることができるようになる」(NTTサービスインテグレーション基礎研究所情報流通トラヒックサービス品質プロジェクトサービス評価グループの高橋玲グループリーダ)としている。
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