日立製作所は5月28日,記者・アナリスト向けに経営状況の説明会を開催した。古川一夫社長は「高収益構造」というキーワードを繰り返し強調。2009年度には「(売上高)連結営業利益率を5%にまで高める」とした。
「2007年度予算は営業利益率がおよそ2.8%になるように組んだ。着実に5%という数字に向けて進んでいる」と古川社長は強気の姿勢を見せた。古川社長は社長就任間もない2006年4月3日に経営方針の説明会を開催しており,今回の説明会はこの進捗説明という位置付け。このときは「早い段階で営業利益率5%を目指す」と語っていた(当時の記事)。
現在は1.8%である連結営業利益率を3年後の2009年度には5%にまで高めるというのは決して簡単なことではない。コンピュータ関連では,日立グローバルストレージテクノロジーズ(HGST)が担うハードディスク事業が足を引っ張っている。ハードディスク事業の2006年1月から12月の営業損失は437億円だ。
ハードディスク事業については,生産コストを削減した上で新製品の投入を増やし,競争力を高める考え。古川社長は業界初という3.5インチ型で1テラバイトの容量を持つ新製品(HGSTの発表資料)を挙げつつ,決意を新たにした。「環境は厳しいが,この事業の命運をかけて黒字化する。研究所をはじめグループの総力を挙げて新製品を投入し,先行者利益を確保したい」(古川社長)。