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 NECは5月29日、事業部長クラス2人を含む10人の社員が、1999年から行っていた架空取引で総額5億円の裏金を捻出していた事実を公表した。2006年2月、東京国税局が実施した1999年度から2005年度の税務調査の過程で明らかになった。

 1999年頃から始まった架空取引は、ソフトウエア開発を含む、国内5つの営業部門が関与していた。取引額は22億円に上る。そのうち、5億円をリベートとして受け取っていた。

 架空取引に関与した社員は、1次下請け業者に対し、ソフトウエア開発費や保守費などを水増しして2次下請け業者に発注するよう指示。水増しした費用の一部を1次下請け業者を経由して還流していた。受け取ったリベートは、関与した社員が個人的な飲食費などに充てていたという。

 NECは、弁護士を含む調査チームを編成して内部調査を進めており、「社員が個人的にしたこと」(NEC広報部)と組織ぐるみの行為を否定する。関与した社員には、損害賠償請求や刑事告訴を検討しているという。一次下請け業者には、同社のグループ企業が含まれるが社名は公表していない。今回の不正取引に巻き込まれたユーザー企業(システムの発注者)の有無についても明らかにしていない。

 同社は、2006年3月に発覚したNECエンジニアリングの架空取引を機に、IT機器などの有形資産の取引については営業部門と計上部門の職務を分離する改革を進めてきた。今回の架空取引事件を教訓に、保守サービスなどの無形の取引についても、2006年末から第三者の管理部門がチェックする体制を整備した。