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EMC Smarts
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Smarts ADM
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 ストレージ大手のEMCジャパンは,企業のシステム運用管理者に向けて,システム資源の構成情報と依存関係をベースにシステム障害の原因を自動的に切り分けて特定/警告するソフト「EMC Smarts」を,2007年5月31日に出荷した。米EMCが2005年2月に買収した米SMARTSの製品である。価格は,監視対象ノード50個の最小構成で500万円程度から。

 EMC Smartsは,ネットワーク機器やストレージ機器,サーバー,アプリケーションといった個々のシステム資源の構成情報と依存関係を把握することで,システム障害が発生した際に,自動的に障害原因を切り分けるソフトである。一般に,障害が発生すると,複数の監視対象ノードが個々にアラートを上げてくるが,「障害の検知から復旧までにかかる時間のうち,原因の切り分けに70%以上の時間を費やしている」(EMCジャパンの鈴木聖氏)のが現状。EMC Smartsは,障害原因の切り分けにかかっていた時間を短縮する。

 システム資源の構成情報と依存関係は,メタデータによる意味付けを加味したモデルとして表現/管理する。使っているモデリング言語の「ECIM」は,インベントリ管理/ソフト配布などクライアント管理手法の標準化を中核とするDMTF(Distributed Management Task Force)が規格化したCIM(Common Information Model)がベース。データの属性をメタデータとして記述することにより,監視対象ノードが上げてくるアラートをどう判断するのかという,従来であればシステム管理者が手動で実施していた意思決定を自動化する。障害通知GUI画面はシンプルで,障害原因を目立たせ他のアラートを目立たせない工夫を凝らした。

 EMC Smartsは,システム資源のリアルタイム監視ツールであり,監視対象の構成情報の推移をディスク上に蓄積することはない。実際の構成情報と依存情報は,ネットワーク機器やサーバーであればSNMP(Simple Network Management Protocol)経由でMIB(Management Information Base)データベースを取得したり,Pingによるポーリング応答を調べたり,パケット・キャプチャなどによって収集する。

 他の運用管理ソフトによる障害通知をトリガーに,あらかじめ設定した運用ポリシーに基付いて障害を特定することも可能である。例えば,EMC Smarts自体はデータを蓄積しないため時系列データのトレンド分析による障害予測/発見などはできないが,こうしたツールを障害検知システムとして利用することで,EMC Smartsの適用範囲が広がる。

 Smartsに対して,データとデータの意味を与えられる製品としては,Smarts製品群の一つであるアプライアンス機器「Smarts ADM」もある。Smarts ADMは,ネットワーク上を流れるクライアント・サーバー間の通信パケットをキャプチャしたり,ある時点でのサーバー上のサーバー・プロセスの稼働状況を把握することで,業務アプリケーションの目線でシステム資源の依存関係図を作成する。Smarts ADMが収集したアプリケーション層でのシステム構成情報と資源同士の依存関係をSmartsに渡すことで,Smartsによるアプリケーション障害の特定が可能になる。

 なお,米EMCは,ソフトウエア企業への脱皮を図るべく,2003年以降20社を超える企業買収を繰り返してきた。米SMARTSは,その中の一社である。このほか,代表的なところでは,バックアップ・ソフト大手の米LEGATO Systems,文書管理の米Documentum,サーバー仮想化ソフトのVMwareなどがある。同社は,データ管理の抽象モデル化によってシステム運用を自動化するコンセプトを打ち出しており,今回のEMC Smartsは,こうしたシステム運用の自動化の一端を担うソフトという位置付けである。

■変更履歴
最終段落で「2001年以降10社を超える企業買収を繰り返してきた」としていましたが,より正確さを期すため「2003年以降20社を超える企業買収を繰り返してきた」に修正します。本文は修正済みです。[2007/06/01 17:50]