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NTT 第三部門 OSSセンタ担当部長 北井敦氏
NTT 第三部門 OSSセンタ担当部長 北井敦氏
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NTT社内でのオープンソース採用事例1
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NTT社内でのオープンソース採用事例2
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NTT社内でのオープンソース採用事例3
NTT社内でのオープンソース採用事例3
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オープンソース・ソフトウエアによるコスト削減効果
オープンソース・ソフトウエアによるコスト削減効果
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 「メインフレーム上のバッチ処理システムを,Linuxサーバー上に構築した事例もある」---NTT 第三部門NTT OSSセンタ OSS推進担当部長 北井敦氏は6月1日,LinuxWorld Expo/Tokyo 2007でNTTグループでのオープンソース活用状況とOSSセンターの役割について講演した。

 NTTでは,コスト削減やベンダー・ロックインの回避などを目的としてオープンソース・ソフトウエアの利用を推進している。NTTの資料によれば,2005年度,NTT事業会社の100以上のシステムをシミュレーションしたところ,約30%コストを削減できるという結果が得られたという。

 OSSセンタはこのようなNTTグループのオープンソース活用に対するサポート,利用ノウハウを集約する組織として,2006年4月に発足した。(1)問い合わせ対応から故障復旧支援までのサポート・サービスの提供,(2)技術検証済みオープンソース・ソフトウエアの組み合わせ「OSSVERT(OSs Suites VERified Technically,オズバート)」の提供,(3)オープンソースの適用を拡大するための戦略ソフトウエア開発,の3つがセンタの使命である。

 (1)のサポートに関しては,年間約800件の支援要請に対応している。

 (2)のOSSVERTは,PostgreSQL,MySQL,Apache,Tomcat,JBoss,UltraMonkey,Linuxといったオープンソース・ソフトウエアを検証し提供している。2006年度は数十件のシステムに適用したという。

 (3)の戦略ソフトウエアとしては,統合運用管理ソフトウエアの「Crane」,PostgreSQLをベースにした大規模高性能DBMSを開発している。「PostgreSQLに関しては,高速ローダーのpg_bulkloadを開発しオープンソース・ソフトウエアとして公開するなど,バグ修正や改良で積極的に貢献している」(北井氏)。現在,長期間の連続運用を可能にするバキュームレス機能(ガベージ領域削除機能)のプロトタイプを開発,コミュニティ版への反映を目指している。

 具体的な適用事例として,北井氏は3つのシステムを紹介した。一つは,既存のメインフレーム上のCOBOLと4GLによるバッチ処理システムを,Linuxを搭載したIAサーバ上に構築した事例。料金を扱う基幹システムで,約3年前に構築した。

 2例めは電気通信設備からの警報を扱うシステムで,UNIXからLinuxへの移行である。アプリケーションの移植にあたってはリトル・エンディアンとビッグ・エンディアンの変更などを行う必要があった。

 3例めはインターネットによる24時間稼働のサービス受付システムで,負荷分散機能やホットスタンバイ機能なども含めすべてオープンソースで構築した。センタが検証した組み合わせのOSSVERTを採用している。

 いずれもコスト削減を実現するととともに,スケールアウトによる大規模な処理能力を実現している。オープンソース・ソフトウエアを前面採用した場合と,既存システムのOSやソフトウエアをバージョンアップした場合を比べると,30%から35%程度のコストを削減できたという。

 今後の活動方針としては,NTTグループへのサポートを充実させオープンソースの適用を拡大するとともに,オープンソースが適用可能な領域や,知財関連の留意事項などについてまとめたユーザ向けガイドラインである「OSS活用指針」を作成する方針だ。また北井氏は「ベンダー・ロックインの回避は全部自分でやるということではない。技術を持つベンダーと連携し,ユーザーとしてオープンソース活用のノウハウを交換していきたい」と語った。