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 ボーランド CodeGear事業本部が6月5日に開催する同社の開発者向けイベント「第5回 CodeGearデベロッパーキャンプ」に合わせて,米CodeGear(米Borland Softwareの開発ツール部門)のVice PresidentであるDavid Intersimone氏と,Principal EngineerのShelby Sanders氏が来日。本誌記者とのインタビューに応じて,2007年後半に出荷予定のRuby on Rails(以下Rails)向けIDE(統合開発環境)製品の詳細を明らかにした。

 Intersimone氏は,現在のRailsの開発環境を「Railsのデモを見ると,コードを記述するエディタと,コマンドを入力するウィンドウと,Webブラウザの間を,だれもが行ったり来たりしている」と見ている。これに対し,同社が開発中のIDE製品は,「これらを一つの場所に集め,さらにコード補完やリファクタリング・ツール,内蔵Webブラウザでのテスト,デバッグなど,現在のIDEで一般的とされる機能を提供したものになる」と語る。

 本製品の開発責任者であるSanders氏は,新製品について「製品をリリースするにあたり,Railsのエキスパートと,これからRailsに取り組む人の双方に訴求したい」と話す。「Railsのエキスパートがテキスト・ベースのインタフェースでのプログラミングを好むことは理解している。GUIベースのIDEを無理に押しつけるつもりはない。viやEmacsを利用しているRailsのユーザーにも,魅力的だといってもらえる製品を目指している。これは新しい挑戦だ。Eclipseをベースに不要な機能を取り除き,コンパクトで,GUIとコマンドラインのどちらでも使いやすい製品になる」(Sanders氏)。

 現在本製品は,数百人規模のフィールド・テストを実施中である。Sanders氏による本製品の最新ビルドと見られるバージョンのデモを見る限り,ウィザードを利用したプロジェクトやひな型の作成は,従来からの同社が提供するIDE製品とあまり変わらない印象である。ひな型の作成には,Rails標準のひな型作成ツールであるscaffoldを利用している。

 最大の特徴は,IDE下部にあるウィンドウである。このウィンドウの挙動は,よくあるIDEと異なる。JBuilderなどでは標準出力を表示するウィンドウとしてしか機能していなかったが,本製品ではコマンドシェルとして機能する。実際にrails,rake,gemなどRailsでおなじみのコマンドの実行も可能。実行するとコマンドシェル部分に表示されるおなじみの反応に加え,左上のプロジェクト・ツリーにファイルが追加されていく。操作性はUNIX系のOSで,シェルを利用してRailsのコマンド群を操作するのと変わりがなく,視覚的な情報は充実している。コマンドシェル中でも,クラス名やテーブル名などの補完が効く。Railsに特化した便利なシェルが組み込まれている印象だ。

 本製品は有償である。名称や価格は未定。「(適切な価格を)考える時間はたくさんある。」(Intersimone氏)。「コミュニティにも貢献したい。いろいろな方法が考えられそうだ。とはいえ,開発ツールの企業として,収益を上げることも考えなければならない」(Sanders氏)という。

写真●CodeGearのRuby on Rails向け開発環境ベータ版の動作画面
写真●CodeGearのRuby on Rails向け開発環境ベータ版の動作画面
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