PR

 米Microsoftがフロリダ州オーランドで開催中のシステム管理者/アプリケーション開発者会議「TechEd 2007」で米国時間6月4日,“People-Ready"(人に合わせた)業務を実現するための動的なITに向けた戦略などを発表した。基調講演のなかで,Server&Tools部門担当副社長のBob Muglia氏は,世界的な競争やコンプライアンスに対応できる,より動的な環境を実現するための構想「Dynamic IT」やリリース間近の製品などを紹介した。

 Muglia氏は,今後数年間にわたりDynamic ITが同社の開発への取り組みにおけるフレームワークになると説明。顧客が自分のITに対するニーズを判断し,それに基づいて現在のシステムを最適化するとともに,より動的な環境を実現するため設計を支援する「Microsoft Optimization」モデルを紹介した。同氏は,このOptimizationモデルを使って自社のニーズを判断するように勧めている。

 動的なアプリケーション環境を支援するアプリケーションについては,開発コード名「Katmai」,「Orcas」で呼ばれていた「SQL Server」と「Visual Studio」の次期版の正式名称を公開した。Katmaiは,「SQL Server 2008」,Orcasは「Visual Studio 2008」となる。SQL Server 2008の最初のコミュニティ向け技術評価版(CTP)は,同社Webサイトからダウンロードできる。Visual Studio 2008のベータ2は,2007年夏に公開される予定。

 Microsoftは,サービス指向アーキテクチャ(SOA)と動的アプリケーション開発の支援を目的として,「.NET Framework 3.5」初のベータ版と「BizTalk Services」のCTP版を先ごろ発表している。電子商取引向けサーバー「BizTalk Server 2006」の「R2バージョン」は2007年第3四半期に公開される。このリリースは,無線ICタグ(RFID)インフラを提供し,電子データ交換(EDI)に対応する。また,.NET Framework 3.0,2007 Microsoft Officeシステム,Windows Vistaと統合するための新技術を搭載する予定だという。現在,Beta 2を公開している。

 同社は,米Data Visualizationのデータ可視化製品「Data Visualization」を買収したことも明らかにした。買収した技術は,SQL Serverのレポート作成機能「Reporting Services」に組み込まれるという。

 このほかにも,セキュリティと管理機能については,「Forefront」と「System Center」ブランド製品のアップデートなども発表している。

発表資料(1)
発表資料(2)