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アッカ・ネットワークスの最高経営責任者に就任した木村正治氏
アッカ・ネットワークスの最高経営責任者に就任した木村正治氏
 アッカ・ネットワークスは6月6日,同日付で最高経営責任者(CEO)に元日本IBM常務執行役員の木村正治氏が就任したと発表した。同時に,NTTコミュニケーションズ(NTTコム)が保有するアッカ株の一部を投資ファンドのイグナイトBB投資事業有限責任組合に譲渡したことも発表。その結果,NTTコムの出資比率は19.7%から14.7%に減少した。今後,イグナイトBBはアッカの株を買い増していく予定であることも明らかにした。

 NTT出身の坂田好男・前CEOの退任とNTTコムの出資比率の減少で,アッカはNTT色を薄める格好になる。木村CEOは「NTTコムが最も重要な位置付けのパートナーであることに今後も変わりはない。だが,新しい分野への挑戦を考えると,より中立的な立場になることが重要と考えている」としている。今後,法人向け事業や計画中のモバイルWiMAX事業において,現在よりも多くの通信事業者やシステム・インテグレータなどと協業したい考えだ。

 一方のNTTコムは,「2005年の株式公開時点から,アッカに経営の自由度を持たせるために持ち株比率を下げる予定だった。これは,目論見書にも書いていた」と説明している。イグナイト・グループとの交渉がまとまったので,今回のタイミングで株式を手放すことにしたという。

6月中にモバイルWiMAXの事業企画会社を設立

 アッカの木村CEOは,今後の事業は(1)ADSL,(2)新規事業,(3)他社とのアライアンスを軸に進めていくとした。ADSLについては,「今後数やARPU(ユーザー1人当たりの売り上げ)は減っていく。ただ,ADSLを使うユーザーは(全事業者の合計で)1000万は残ると考えているし,ARPUも2000円くらいが底値になる。ユーザーをしっかり維持し,ネットワーク運用コストの削減などで利益を出せるコスト構造にしていく」(木村CEO)とした。

 新規事業では,総務省が今秋に免許を交付する予定の2.5GHz帯の電波を使ったモバイルWiMAX事業を計画する。その一環として,木村CEOは「6月中にモバイルWiMAXの事業企画会社を設立する方向で準備に入っている」と明らかにした。アクセス回線を他の通信事業者などに卸売りで提供する「水平分業」型のモデルを目指すとしている。ただし,アッカが免許を獲得できるかどうかはわからない。

 他社とのアライアンスでは,システム・インテグレータやソフトウエア・ベンダー,ハードウエア・ベンダーと協業し,法人向けのソリューション事業に力を入れるとした。「中堅企業にフォーカスして展開する。例えば,電話線のブロードバンド回線への置き換えなどだ。監視カメラや駐車場管理,ビル保守など電話線を使ったシステムは,ブロードバンド回線に置き換えて効率化できる」(木村CEO)と語った。

 アッカの新CEOとなる木村氏は,1948年1月5日生まれの59歳。1970年に日本IBMに入社し,1996年に取締役ソフトウエア事業担当に就任。2000年からは常務取締役,2003年からは常務執行役員を務めていた。2002年には,IBMビジネスコンサルティングサービスの初代代表取締役社長も兼任。6月6日付でアッカのCEOに着任したが,執行役員の立場で取締役ではない。8月の臨時株主総会を経て,代表取締役社長に就任する予定だ。