写真1 NECが提示する提供条件の一部
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写真2 オムロンがサービス採用の第1号ユーザーとなった
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 NECは6月7日、企業ネットワークの設計から構築、運用までワンストップで請け負うアウトソーシング・サービスを発表した。特徴は、サービス全体の提供料金が「LAN1ポート当たり」、「IP電話機1台当たり」といった、利用者数をベースに決まること。ITベンダーも通信事業者も「こうした提供形態に取り組んでいない」(谷岸一善執行役員常務)という。

 サービス名称は「オンデマンド型ネットワークサービス」で、同日から提供を始めた。具体的なメニューとしては、「企業内電話」、「事業所内LAN」、「事業所間WAN」の3つを用意した。保有するクライアント数で4000以上の大企業を中心に売り込む。

 例えば、企業内電話は、「IP電話機1台当たり2500円程度から」、を目安にしている。サービス・レベルも料金に影響する。「稼働率99.99%」、「故障修復5時間以内」、「故障時駆けつけ3時間以内」といった指標を例示した(写真1)。一方、事業所内LANでは、ユーザーのパソコンを接続するためのスイッチ1ポート単位での月額従量課金とする。1ポート当たり月額2000円程度から提供するという。

 企業側のメリットとして「ネットワークにかかるすべてのコストが“見える化”できる。全体として10%から20%のコストを節約できる」(谷岸執行役員常務)という点を打ち出している。パイロット・ユーザーとしてこの4月からオムロンが国内38拠点で導入している(写真2)。NECによるとネットワークの年間管理コストが2割ほど削減できる見通しだという。

 企業ユーザーは、機器の資産としての扱いと契約期間に注意が必要だ。機器については、NECもしくはリース会社が買い取る、廃棄して新規にNECが設置する、両方のパターンがある。サービスの契約期間は個別の交渉となるが、ある程度の長期契約が必要となる。NECは「4年以上を基本としたいが、短い期間の契約も考えたい」(山口真人システム・サービス事業本部長)としている。

 なお、NECはこのサービスで3年後に年間200億~300億円の売上を目指している。