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左から,NECのシステムソフトウェア事業本部副事業本部長である池田治巳氏,NECの執行役員常務である丸山好一氏,米EMCのGlobal Services and Resource Management Software Group担当Executive Vice PresidentであるHoward D. Elias氏,米EMCのStorage Infrastructure Software担当Senior Vice PresidentであるChris Gahagan氏。
左から,NECのシステムソフトウェア事業本部副事業本部長である池田治巳氏,NECの執行役員常務である丸山好一氏,米EMCのGlobal Services and Resource Management Software Group担当Executive Vice PresidentであるHoward D. Elias氏,米EMCのStorage Infrastructure Software担当Senior Vice PresidentであるChris Gahagan氏。
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 NECは2007年6月12日,運用管理ソフト群「WebSAM」を用いた自律型の運用管理ライフ・サイクルを補完する目的で,システム障害の原因を自動的に切り分けるためのソフト「EMC Smarts」を結合させたパッケージ製品を出荷した。単に米EMC製の製品を組み合わせて販売するだけでなく,製品同士を連携しやすくするソフトウエア・モジュールを新規に開発。2006年4月から続いているNECとEMCの協業の一環である。

 EMC Smartsは,米EMCが2005年2月に買収した米SMARTSの製品で,システム資源の構成情報と依存関係をモデル化することで,システム障害の原因を自動的に切り分けて特定するソフトである。一般に,システムに障害が発生すると,システムを構成する個々の要素が別々に警告を上げてくる。従来は,システム管理者が,こうした警告を総合的に判断して,原因となっている個所を特定していた。EMC Smartsでは,監視対象のシステム構成情報に,依存関係の把握に必要な属性情報を付与することで,こうした判断を自動的に実施する。構成情報を表現するモデル化言語は,DMTF(Distributed Management Task Force)が規格化したCIM(Common Information Model)をベースとしている。

 一方,NECが従来から販売しているWebSAMは,SIベンダーであるNECの運用管理ソフト群のブランドである。システム稼働監視,性能監視,ジョブ管理,資産管理,データ・バックアップ,クライアント管理,システム構成情報のリポジトリ,など,統合運用管理ソフトのブランドとして必要なソフト群を含む。NECを含め,運用管理の目的は一般的に,システム稼働監視/性能監視によって得られた情報を基に自律的にアクションを起こして修復する,というライフ・サイクルを効率的に機能させることにある。EMC SmartsによりWebSAMを補完し,システム障害発見能力を強化することで,運用管理ライフ・サイクルの完成度を高める。

 今回,NECとEMCは,WebSAMとEMC Smartsとの連携,すなわちWebSAMのシステム監視/原因分析エンジンを,EMC Smartsの分析エンジンで置き換えるための共通基盤を新規に開発した。これにより,相互の製品を個別に購入して連携させようと試みた場合と比較して,より機能連携を図りやすくなっているという。

 EMCから見たWebSAM連携のメリットは,SIベンダーであるNECと組むことによる販売チャネルの拡大である。WebSAMの既存顧客だけでなく潜在顧客に対して,EMC Smartsを組み合わせたWebSAMが売れるという目論見だ。ただし,NECで執行役員常務を務める丸山好一氏は,「EMC Smartsの機能は先進的であり,価格も1システム平均で1000万円ほどと高価なため,その対象はWebSAMの既存顧客のうち,比較的大規模ユーザーに限られるだろう」と冷静に分析する。一方では,EMC Smarts単体の販売によって新たな顧客を開拓できると期待する。