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写真●フランスのアルカテル・ルーセントのオリビエ・ボジャル最高技術責任者(CTO)
写真●フランスのアルカテル・ルーセントのオリビエ・ボジャル最高技術責任者(CTO)
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 「通信事業者が最善を尽くした新サービスを投入すれば,何年間か成功が続くという時代は終わった」。フランスのアルカテル・ルーセントのオリビエ・ボジャル最高技術責任者(CTO)は6月15日,Interop Tokyo 2007の基調講演において,通信事業者の置かれた競争環境は大きく変わっているとの見解を披露した。さらに,こうした環境で通信事業者が収益を上げていくには,事業者網のIP化が必須になると主張した。

 まず,業界全体の規模が大きくなる時期は過ぎ,「通信事業は,自動的に成長する事業ではなくなっている」(ボジャルCTO)。さらに,米ボネージや米イーベイ傘下のSkype,米グーグルなどネットワークを持たないサービス事業者が,通信事業者と競合するようになっている。これらは,「2000年を境に大きく環境が変わってきた」(同)ものだという。

 通信事業者が競争に勝っていく手段として,ボジャルCTOは「数週間,数カ月といった短期間で次々と新サービスを開始できるようにすること」を挙げた。というのも,「一般消費者や企業ユーザーが望むことを,一つのサービスですべてまかなうのは不可能」(ボジャルCTO)だからだ。従来,通信事業者はサービス投入にはネットワークの整備などで2~3年かけて準備していた。この考え方を変え,通信事業者が様々なサービスを提案し,受け入れられなかったらすぐに撤退したり手直ししたりするような方向に進むべきだと訴えた。

 サービスの準備期間を短縮するため,「英BTやオーストラリアのテレストラなど多くの通信事業者が,事業者網を一つのIPネットワークに統合するプロジェクトを進めている。これにより,ネットワークの構成をシンプルにできる」(ボジャルCTO)。IPネットワークに統合することで,ネットワークの設備コスト,構築コスト,運用コストを削減できる。また,位置情報やプレゼンス,エンド・ツー・エンドのQoSを利用できるネットワークにすることで,現在よりも拡充したサービスを実現できるとした。

 BTやテレストラが進める事業者網のIP化は,日本ではNTTやKDDI,ソフトバンクなどが進める「NGN」(次世代ネットワーク)と同様のものだ。ボジャルCTOによると,米AT&T,米T-Mobile,フランスのFT-オレンジ・グループ,中国のチャイナ・ネットコムとチャイナ・モバイルなども同様のプロジェクトを進めているという。

 なお,ネットワークを統合できても,サーバーの構成が複雑では短期間のサービス投入はできない。そのため,ボジャルCTOは「SOA(サービス指向アーキテクチャ)とWebサービスが,アプリケーションを構成するサーバー技術のキーになる」と予想した。