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 SAPジャパンは6月,都内で記者向けの説明会を開催し,「SOA(Service Oriented Architecture)」への取り組みと製品戦略を説明した。同社はSOAの考えを取り入れて既存パッケージを再構築し,ミドルウエア群の「NetWeaver」とともに,今後は「BPP(Business Process Platform)」を提供するという。それはどういうことなのかを説明する。

 「一枚岩からサービスの集合に」---。SAPが実施していることをひと言で表すとこうなる。「一枚岩」とは既存パッケージのことだ。従来の製品は「一枚岩」のような構造で,画面とビジネス・ロジック,ビジネス・ロジック同士などが強固に結びついている。そのため,画面の変更や他システムとの接続,機能の変更などは容易ではないのが実情である。

 そうした既存パッケージ製品に手を加え,「サービスの集合」にしようとしている。ここで言うサービスとは「Webサービス」のこと。つまり,機能をあるまとまりで区切り,その機能ごとに「SOAP」のインタフェースを持たせる。2003年1月から取り組んでおり,既に1000を超えるサービスを提供できるという。

 このサービスを同社では「エンタープライズサービス」と呼ぶ。ビジネスの視点から意味のある単位で定義されており,例えば「発注の取り消し」というエンタープライズサービスがある。「発注の取り消し」というサービスの中には,データベースからの削除,出荷の取り消し,在庫のロールバック,サプライヤへの通知,などの処理が含まれる。

 サービスの集合にすれば,一枚岩的なパッケージのデメリットを解消できる。パッケージの一部を変更したい場合,サービス単位でプログラムを作成してインタフェースを合わせておけば,差し替えることができる。カスタマイズのやり方は,大きく変わることになる。

 さらに,サービスを部品のようにとらえ,サービスを組み立てることで新たなアプリケーションを構築できるようにする。そのために必要なミドルウエアや開発ツールは,「NetWeaver」に含まれることになる。サービスのインタフェースはWebサービスなので,SAP製品以外のサービスや,ユーザー企業が自社で構築したサービスなどとも組み合わせることが可能だ。サービスの組み合わせで構築したアプリケーションを「コンポジット・アプリケーション」と呼んでいる。SAPが提供する「xApps」というアプリケーションは,コンポジット・アプリケーションである。

 SAPが今後提供する「BPP(Business Process Platform)」とは,(1)既存パッケージに含まれる機能を基にしたサービス群と,(2)サービスを組み合わせてコンポジット・アプリケーションを構築するミドルウエアやツールのことだ。既存パッケージの機能をサービスとして利用できることがSAPの強みであり,他社との差別化になると同社は考えている。