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 マサチューセッツ州が7月2日(米国時間),米Microsoftのオフィス・アプリケーション向け文書フォーマット「Open XML」を採用することが確定的だと発表した。その結果,同州における「『Microsoft Office』が排除される」という脅威が終わりを告げ,同州で進展中の“ドラマ”は展開が予想できるようになり,勢いがなくなろうとしている(関連記事「マサチューセッツ州,Microsoftのファイル形式『Office Open XML』も採用へ」)。

 マサチューセッツ州は2年前,ユーザーの多いスイート製品Microsoft Officeが将来「永久かつ自由に公的文書を参照し続けるために必要なオープンな文書フォーマットをサポートしない」という懸念から,Officeを採用しないと表明している(関連記事「米マサチューセッツ州,MS Officeからオープン標準規格ベースへの移行計画を最終決定」)。

 詳しく説明しよう。マサチューセッツ州は2005年,同州で扱う公式文書のフォーマットを,すべて既に標準化されていた文書フォーマット「Open Document Format(ODF)」に移行する計画を発表したのだ。ところが,Microsoft製ソフトウエアはODFと互換性がなかったことから,この移行計画によって,同州の職員は広く使われているMicrosoft OfficeスイートをODF移行後に利用できなくなるはずだった。

 Microsoftはマサチューセッツ州に陳情した後,Open XMLフォーマットを標準仕様としてリリースするという対応策を実施し,2006年に国際的な標準化組織Ecma Internationalで標準化した(関連記事「標準化組織Ecma,オフィス・アプリ向けファイル形式『Office Open XML』を承認」。国際標準化機構(ISO)でも,現在Open XMLを標準化するかについての検討が行われている。関連記事「Microsoftのファイル形式『Office Open XML』,国際標準化の投票段階へ」)。さらにMicrosoftは,Microsoft Office用のODF変換アドオンを開発するという対策にも取り組み,競合フォーマットであるODF仕様を希望するユーザーがOfficeを使い続けられるようにしている(関連記事「Microsoft,中国の文書形式UOFとOpen XML間の変換ツール開発を支援」,「MS OfficeファイルとODF文書の変換を可能にするプラグイン公開」)。

 7月第1週になって,Microsoftの孤立状態は終わりつつあるようだ。マサチューセッツ州の一部部署はODFに移行済みだが,同州CIOはMicrosoftのOpen XMLも対応フォーマットに加えるという決定について,意見の受け付けを開始した。7月20日に締め切られる意見公募でこのままOpen XML採用が認められれば,Microsoftは同社のOfficeスイート独占体制に対する最大級の脅威を一つ打ち負かすことになる。これまでMicrosoftは,フロリダ州,テキサス州,カリフォルニア州,オレゴン州,コネチカット州でも同様の苦境を首尾よく克服してきた。これらの州がオープンな文書フォーマットへの移行計画を発表したのは,いずれも2005年に起こったマサチューセッツ州の騒ぎが発端だった。