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 金融庁は、上場企業などからの財務報告を業界標準の「XBRL(拡張ビジネスレポーティング言語)」で受け付けるパイロット運用を7月9日に始動させた。期間は8月31日まで。2008年4月からXBRLによる財務報告を義務付けるのに先立って、民間に新しいシステムを経験してもらう狙いだ。これまでに参加を申し込んだ企業・団体などは700強という。

 金融庁は、「有価証券報告書」に代表される財務報告を受け付けるWebサイト「EDINET」を運用しており、現在はHTMLで報告を受け取っている。義務を負っているのは上場企業に加え、資本金(募集金額)が5億円以上かつ株主数(購入者)が500人以上の非上場企業や投資ファンドなど。対象者は国内企業が約4700、ファンドが約3200、外国企業が約200に上る。

 EDINETは2008年4月にシステム刷新が予定されており、金融庁はその稼働に合わせて報告者にXBRLの採用を義務付ける。XBRLは財務・会計情報をやり取りためのXML(拡張マークアップ言語)ベースの言語で、世界各国の金融監督庁が採用。日本では国税庁による電子申告・納税で採用されている実績がある。

 新システムに移行すれば、利用者はこれまで通りにWebブラウザで財務報告を閲覧できる上に、XBRLデータをダウンロードして、財務情報を多角的に分析できるようになる。例えば、複数年にわたる財務報告から必要な項目を抜き出して傾向を調べたり、複数の企業から同じ財務データを抜き出して比較することが容易になる。

 金融庁が8月末まで実施するパイロット運用では、参加者からXBRL形式によるダミーの財務データの送信を受け付ける(画像は参加者向けのホームページ)。参加者はその送信データに文法上の誤りがないかを確認したり、送信内容が正しくWebブラウザで表示できたりするかを確認できる。参加するには事前の登録が必要で、受け付け期間は7月27日まで。申し込みが済むと、EDINETコードやユーザーID、パスワードなどが発行される(詳細は金融庁のホームページを参照)。

 XBRLの採用にあたって、金融庁はXBRLデータで用いる用語やデータ構造の統一を図っている。例えば決算の勘定科目は「わずかな言葉遣いの違いも含めて6万もの用語が使われているが、EDINET向けのXBRLではこれを約4000個に集約した」(金融庁企業開示課の武田敦専門官)。今回のプロジェクトに参加すれば、用語やデータ構造の誤りを、本番運用の前にチェックできる。

 今回のパイロット運用に合わせて、企業のXBRLソリューションの需要を開拓する動きも活発になってきた。例えばジャストシステムは、XBRLデータの作成を支援するツールの試用版を7月9日から無償公開した。