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アクセンチュアの程近智社長
アクセンチュアの程近智社長
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 「日米欧の3極に経済が集中した時代から、新興国を含めた多極化の時代が来ている。経済の変化に合わせ、企業経営におけるITのあり方も見直す必要がある」。7月10日、東京都内で開催中の「IT Japan 2007」にアクセンチュアの程近智社長(写真)が登壇。「『多極化した世界』における、持続的成長を実現するハイパフォーマンス企業」と題し講演した。

 程社長は、多極化時代に起こる経済の変化について、(1)優秀な人材獲得、(2)資本の新たな流れ、(3)資源を巡る争い、(4)新しい消費者の誕生、(5)新興イノベーション勢力の出現、がキーワードになると指摘。人材の獲得や海外直接投資などを、「日米欧だけでなく、ブラジル、ロシア、インド、中国などの新興国を交えて考えなければならない時代が来ている」と強調した。

 こうした経済の変化は「ITのあり方も変える」と程社長は説明する。その代表例として、(1)ビジネスとITのダイナミックな融合、(2)柔軟かつ強固なガバナンス、(3)IT人材ポートフォリオの再構築、の3つを挙げた。

 (1)について程社長は、「企業は今、企業連合で新しい役割を担うために動きが活発化している。これからはダイナミックな役割分担が欠かせない」と指摘。企業のバリュー・チェーンを構成する、研究・商品開発・生産・販売といった段階で、世界規模で企業同士の協業や提携が相次いでいる。同時に「バックオフィス業務などの共通機能についても、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)などを活用して、世界規模で最適化すべきだ」(同)。

 程社長は、アクセンチュアの調査結果を例に「日本企業は米国と比較して、生産性の向上にITが貢献していると感じている人が少ない」と説明する。アクセンチュアが2007年5月に発表した調査では、ITが生産性に向上に寄与していると回答したIT関連部門は、米国の75.5%に対して、日本では52%だった。さらに、ITが経営目標と一致していると回答したIT部門は、米国では83%に対し、日本では38%にとどまった。程社長は、「ダイナミックにビジネスが変わるなかで、ITもその動きに追随していかなければならない」と話す。

 そして「ダイナミックにITが変化するからこそ、より一層強固なITガバナンスが重要だ」として、「(2)柔軟かつ強固なガバナンス・モデル」の必要性を程社長は訴えた。「システムの管理は標準化するべき。ただし、システムの利用方法には柔軟性を持たせる。こうしたメリハリの利いたIT活用こそが、多極化した時代に求められる」(程社長)という。

 最後に、「人材活用も同じ。製造業などは海外に工場を出している。ほかの産業と同様にITも海外を活用していくべき」と程社長は話す。アクセンチュアは、パッケージ・ソフト関連の開発はマニラ、組み込みソフトはインドといった役割分担をしているという。さらに最近では、アクセンチュアのインドのチームが中国に研究開発拠点を作るといった活動も広がっている。程社長は、「単にオフショア開発を進めるのではなく、オフショア間での相乗効果などを活用していかなければ、多極化の時代は生き残れない」と強調した。