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写真●IT Japan 2007で講演する日立製作所の篠本学副社長
写真●IT Japan 2007で講演する日立製作所の篠本学副社長
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 日立製作所の篠本学副社長(情報・通信グループ長&CEO)は7月11日,東京都内で開催中の「IT Japan 2007」において「知の融合による経営革新」と題して講演した(写真)。篠本副社長は,ユーザー企業の情報システム部門に対し,「企業活動は日々の挑戦と改善でイノベーションを育む。リアル(現実世界)とITとを融合させて,新たな価値を創造する役割を担ってほしい」と語った。

 篠本副社長は,新たな価値を創造した事例として,オスロ市(ノルウェー)道路交通局の街灯調光システムを紹介した。「昨年から,オスロ市内の至る所で,交通量や周囲の明るさを測定するセンサーの設置が始まった。センサーでデータを収集し,交通量や明るさに応じて街灯の光量をリアルタイムに調節する。省エネルギー化を図ると同時に,街灯にかかわる電力需要を予測している」(同)。

 新たな価値を創造するには,「(1)現実世界のデータをリアルタイムに取得し,(2)データを蓄積する。(3)必要に応じてデータを迅速に抽出して,(4)分析・評価して現実世界にフィードバックする──このサイクルを継続的に回していくことが重要である」と篠本副社長は言う。そして,「最新のIT技術を活用することで,このサイクルを自律的に回すことができるようになった」と付け加えた。

 こうした最新IT技術には,例えば,リアルタイムのデータを収集するのに役立つRFID(Radio Frequency IDentification)デバイスがある。同社が開発したアンテナ内蔵型の非接触ICチップ「ミューチップ」は,「粉末レベルの0.05mm角のサイズを実現したことで,ありとあらゆる対象に張り付けてデータを収集できるようになった」(同)と,日立における研究開発の成果も披露した。

 最後に,篠本副社長は「コスト削減など,目先の課題を解決するためだけにITを活用していると,その課題が解決できた時点でITの利活用が止まってしまう」と指摘。そして,「ITへの理解がまだまだ足りない経営層がいるのは事実。だが,経営層を説得させるだけのビジョンが情報システム部門に不足しているのもまた事実。業務とITの両方に精通している情報システム部門だからこそ,新たな価値を創造するビジョンが描ける」(同)と,情報システム部門にエールを贈った。