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関節のある8本の足がついた「Halluc II」
関節のある8本の足がついた「Halluc II」
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 千葉工業大学は2007年7月25日、車輪が付いた8本の足を搭載して不整地でも走破できるロボット「Halluc II」を発表した。横方向に走る、回転する、段差を乗り越えるといった、従来の自動車では実現できなかった移動能力を持つ。舗装していない場所や障害物のある場所でも走行できることから、レスキュー車などの特殊車両や福祉車両に応用する。5年後の実用化を目指す。

 移動する場所の環境によって3つの形態に変形する機能を持つ。「ビークルモード」では8つの車輪を使って移動する。それぞれの足の高さを調節することで、車体の高さを一定に保ちながら段差を乗り越えることも可能。「インセクトモード」は、車輪を使わず、昆虫のように関節を動かしながら移動する。「アニマルモード」は足を本体の下に収めた状態で歩くため、狭い場所を移動できる。障害物までの距離を検知するなど各種センサーのほか、カメラや無線LAN機能も搭載する。

 8本の足はそれぞれ関節駆動用のサーボモーター6個、ホイール駆動用のモーター1個を搭載する。関節部分に2つのサーボモーターを組み合わせた設計としている。こうすることで関節駆動の力が増すほか、スムーズな関節駆動が可能になるという。

 千葉工業大学の古田貴之 未来ロボット技術センター所長は、開発の意図を「現状では高精度モーターの価格は高価だが、将来安価になれば、多モーターを利用した移動システムが簡単にできるようになる」と説明。多モーター制御技術を先行開発することの優位性をアピールした。「Halluc II」は工業デザイナー山中俊治氏との共同開発。山中氏は「人間にはたくさんの筋肉があり、それだけの自由度がある。車の機能にも冗長性を持たせることで、柔軟なことができたり、すばやく動けたり、故障しても動き続けたりできる」と可能性を語った。

 東京・お台場の日本科学未来館では、8月1日から「Halluc II」の展示を開始する。操縦用のコックピットが用意され、直径約160cmの半球状のスクリーンに投影されるロボットからの映像を見ながら操作できる。操縦装置は、フォースフィードバック機能の付いたハプティック(力覚)デバイスとなっており、ロボットが受けた衝撃を操縦者が体感できる。

車体の高さを一定に保ちながら段差を乗り越える
足の関節を使って歩行できる