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インスピリアの安井健太郎氏
インスピリアの安井健太郎氏
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 「次世代検索サービスを実現するには、3つのアプローチがある。1つは人が介在すること、2つめは自然言語処理技術を活用すること、最後は、いわゆるWeb2.0を進化させた“Web3.0”だ。これらの3要素は、個別には既に研究段階から実用段階に来ているものもあり、3要素をうまく組み合わせることが次世代検索サービスのカギとなる」--。インスピリアの創業者でマネージング・パートナーを務める安井健太郎氏(写真)は7月26日、検索サービスの動向についての説明会でこのように語った。同氏は、インターネット検索サービス市場に詳しく、日米の企業を対象にコンサルタントとして活動している。

 安井氏は「Googleは史上最速のペースで成長し、時価総額は今では三菱UFJフィナンシャル・グループを抜き、17兆円に達している。しかし、Googleの技術は創業以来、根本的な進化があるわけではない」と指摘。その上で、「最近、新しい検索技術を開発しようという企業が次々と出てきている」と米国の現状を語った。

 その新しい検索技術の動きとして安井氏が挙げたのが、冒頭の3つのアプローチだ。1つめの「人が介在する」検索サービスとは、Mahalo.comや、ChaCha Seachといった、人間が検索結果を選別するもの。これらを利用すれば、より人の感覚に近い検索結果を表示できるようになると言う。

 2つめが「セマンティクス」と呼ぶもの。質問形式で入力し、その質問の意味合いとコンテンツの意味合いを勘案したうえで、結果を表示するといった検索サービスがこのタイプに当たる。「キーワード検索とは一線を画する。まだ技術開発中のものが多いが、より自然な検索結果を返すことができる」(安井氏)。

 最後のWeb3.0とは、Web2.0での集合知をさらに発展させたものである。具体的には、コミュニティなどで共有されたり意見交換されたりした情報を抽出し、質問への答えや選択肢を表示する。例えば、「夫婦と1歳児が30万円の予算で、年末に南の島に行きたいが、どのような選択肢があるか」といった質問に対して、ネット上の集合知からいくつかの選択肢を提示するようなものだ。この検索サービスを応用すれば、広告だけでなく、ECサイトと直接、連動するようなビジネス・モデルも考えられる。「実用化には時間がかかるかもしれないが、米ワシントン大学や米IBMなどで研究は始まっている」(安井氏)。

 安井氏は、「すべての検索がGoogleで済むわけではない。日本には和文解析を強みに持つ企業がある。これら3要素を組み合わせることで、次のGoogle以上のものになる可能性を持つ検索サービスが登場する機会が十分ある」と締めくくった。