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 Rubyの開発者であるまつもとゆきひろ氏と、同氏が所属するネットワーク応用通信研究所(NaCl)は7月27日に、Rubyの普及促進を目的とした新法人「Rubyアソシエーション」を設立した。事務所は島根県松江市に置く。

 企業ユーザーへの普及が進みつつあるRubyだが、現状ではNaClに勤務するまつもと氏が、NaClの業務としてRubyの主要な開発を担っている。まつもと氏をサポートする開発コミュニティが活発に活動しているものの、継続的なサポートを重視する企業ユーザーにとっては、NaClやコミュニティに依存した開発体制が、採用をためらう材料になりかねなかった。

 このため、独立した法人であるRubyアソシエーションを立ち上げ、Rubyの開発継続を支援したり普及活動を担ったりすることで、企業ユーザーが安心してRubyを採用できる環境を整えることにした。

 Rubyアソシエーションは「日本版LLC」とも呼ばれる合同会社として設立し、当初はまつもと氏とNaCl、同社の井上浩社長が出資する。理事長にはまつもと氏、副理事長にはNaClの前田修吾主任研究員が就任するが、条件が整えば他の出資も受け入れる方針。「(Rubyを活用した地元の産業振興に前向きな)島根県や松江市などに出資をお願いしたい」と井上氏は話す。

 Rubyアソシエーションの活動は、Rubyの開発やコミュニティ活動の支援、イベント開催や、RubyによるSI事業の支援、Rubyロゴを使った関連製品・サービスの認定事業など。一部の事業で上げた利益は開発やコミュニティ活動の支援などに振り向け、出資者への利益配分を目的とはしないという。

 Rubyに関しては、ビジネスで使う際のノウハウを集積・共有化するためのコミュニティ「Rubyビジネス・コモンズ」も、7月31日に福岡市を拠点に発足する予定。NaClのほかイーシー・ワン、伊藤忠テクノソリューションズ、サン・マイクロシステムズなどのRubyに関係するベンダーやユーザー企業、教育機関などが参加する。これによりRubyアソシエーションの設立と併せ、Rubyの開発と活用の両面で支援する態勢が整うことになる。

 開発コミュニティの支援などを中立的な法人が担う取り組みは、他のOSS(オープンソースソフトウエア)で既に先行事例がある。例えばSeasar2では、特定非営利活動法人の「Seasarファウンデーション」がコミュニティ活動の支援や普及促進活動を担っている。

【写真】左から、設立会見に臨む井上NaCl社長とまつもと氏、前田氏

■変更履歴
ネットワーク応用通信研究所の略称を「NaCL」としていましたが,正しくは「NaCl」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2007/7/31 11:40]