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 総務省は7月26日,電波利用料に関する研究会の報告書と寄せられたパブリックコメントを公表した。その結果,149件と多数のパブリックコメントがあったことが判明した。特にパブリックコメントが多かったのは,免許不要局の電波利用料に関する記述。報告書で「電波利用共益事務は,無線局全体の受益となるものであり,免許不要局であっても,その費用負担に応じるべきことが原則」としている点を問題とする声が多かった。

 現在,無線LANやRFIDは電波利用料の徴収対象外。そのため,新たな徴収を嫌う関連メーカーが一斉に反対意見を表明した。これに対し総務省は,「あくまでも原理原則を記述したに過ぎない」と説明。報告書の内容の見直しは行わなかった。

 なお,パブリックコメントへの研究会からの回答では「周波数帯を占有して使用する免許不要局については,電波監理がなされており,安定的な電波利用が期待されることから,徴収方法,負担額に対する徴収コスト等を含め,今後中長期的な課題として負担について検討を行うことが必要であるとしているもの」と記述。暗に“帯域を占有する免許不要局”という現在は存在しない用途を想定していることを示している。

 また,免許不要局から徴収するための方法を今回の研究会で議論していないため,2008~2010年の電波利用料で「すぐに(無線LANやRFIDを含む)免許不要局から徴収する形にはなりえない」(総務省)としている。

 報告書には,制度の大枠を変える内容も記述している。現在は3年ごとに国会で電波利用料の見直しを行っているが,電波利用料の料額を政令などで変更できるようにする案が出されている。この制度変更が行われると,3年間を待たずに柔軟に電波利用料を変更できる。その半面,不透明な運用につながる可能性があるとして,通信事業者や放送事業者,経済産業省などから反対意見が出された。

 総務省は「恣意的な運用をするつもりはなく,透明性の確保は最も重要だと考えている。例えば国会によるコントロールを維持する仕組みを作るなど,料額を変える際には必ず透明性を確保する」として,報告書の内容に変更は加えなかった。

 また,この制度変更を提案した狙いは,3年間に電波利用サービスの状況が変わった場合に受益と負担のバランスを取ることと説明した。「新たな電波利用料の使途が出てきたときに,受益者に負担してもらうなどバランスを取る」(総務省)ための制度変更だという。例えば,放送のための新たな使途が追加されれば放送事業者の料額を増やし,移動通信のための使途であれば移動通信事業者の料額を増やすような形を想定している。

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