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ノーツ/ドミノ8でマッシュアップを用いた例。ノーツ/ドミノのデータベース上で企業名を選ぶと、該当する企業の株価や本社所在地の地図を表示する
ノーツ/ドミノ8でマッシュアップを用いた例。ノーツ/ドミノのデータベース上で企業名を選ぶと、該当する企業の株価や本社所在地の地図を表示する
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ユーザーインタフェースを改良。Windows XPのスタートメニューのように、階層構造になったメニューを選んでいく
ユーザーインタフェースを改良。Windows XPのスタートメニューのように、階層構造になったメニューを選んでいく
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メールのあて先指定画面。1文字入力するごとに候補を表示する仕組みで、「sa」と入れると、saで始まる氏名やアドレスを持つユーザーの一覧が表示される
メールのあて先指定画面。1文字入力するごとに候補を表示する仕組みで、「sa」と入れると、saで始まる氏名やアドレスを持つユーザーの一覧が表示される
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日本IBM ロータス事業部 事業部長の澤田千尋氏
日本IBM ロータス事業部 事業部長の澤田千尋氏
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 日本IBMは2007年7月31日、グループウエアの新版「Lotus Notes/Domino 8」(以下、ノーツ/ドミノ8)の日本語版を9月11日に発売すると発表した。サーバーライセンスとクライアントライセンスに分かれており、前者はCPUコアの性能に応じて設定される「Value Unit(VU)」に応じた課金体系で、1VU当たり3825円。後者は、アプリケーションソフト版が1ユーザー当たり2万600円、Webブラウザーをクライアントに使う場合は1ユーザー当たり1万6100円。

 新版の最大の特徴は、オープンソースのソフトウエア開発環境「Eclipse」のプラグインとしてノーツ/ドミノのデータベースを使用可能にしたこと。これにより、ノーツ/ドミノのデータベースとJavaアプリケーション、Webサイト上のサービスなどを連携して1つの画面で情報を表示する、いわゆるマッシュアップを簡単にできるようにした。製品発表の記者会見では、取引先企業を収めたデータベースに、Yahoo!ファイナンスの株価グラフとGoogleマップを組み合わせて、参照している企業の株価の推移や、企業の本社所在地を1画面で表示するデモを実施した。

 ユーザーインタフェースの面では、カレンダーやアドレス帳といった「プラグイン」と呼ぶ機能を呼び出すアイコンを、画面右端に配置。メールを書きながらスケジュールを確認するという具合に、別の作業の最中にプラグインを起動する操作を簡単にした。メール関連では、(1)スレッド表示の改良(2)他のノーツ/ドミノユーザーあてメールの送信取り消し機能の追加(3)あて先指定時のインクリメンタル検索機能の追加――といった機能強化を施した。

 オフィス文書関連では、XML関連技術の標準化団体であるOASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)が策定したファイル形式であるODF(OpenDocument Format)の文書を読み書き可能にした。ワープロ、表計算、プレゼンテーションの文書をノーツ/ドミノで作成できる。マイクロソフトのOffice文書を読み込む機能も備えており、「ユーザーによっては、Officeを使わなくて済むケースも出てくると考えている」(日本IBM ロータス事業部 事業部長の澤田千尋氏)という。

 アプリケーションソフト版のクライアントは、Windows Vistaでも動作可能。Webブラウザーをクライアントとして使う場合、Internet Explorer 7も使用できる。また、「世の中には旧バージョンとの互換性をきちんと担保しないソフトが多くあるが、ノーツ/ドミノは旧バージョンとの互換性を完全に確保している」(澤田氏)とする。

「国内の大企業向け市場では、依然70~80%のシェア」

 米IBMのLotus Software部門のゼネラルマネージャーであるマイク・ローディン氏は、ノーツ/ドミノの販売動向について「2005年第1四半期から2007年第2四半期まで、10四半期連続で成長を遂げてきた。競合するマイクロソフトのExchange ServerではWindowsの使用が前提になるが、大企業ではWindowsよりスケーラビリティーの面で優れているLinuxを使うことも多く、ノーツ/ドミノに優位性がある。セキュリティの面でもExchangeより高い評価を得ており、Exchangeからの移行も多く見込める」とした。同氏によると、グループウエアにおけるノーツ/ドミノの世界シェアは42%、Exchangeは50%、残り8%はそれ以外という。

 日本国内ではここ数年、ノーツ/ドミノのサポート期限切れなどを契機に他のソフトへの切り替えを検討する企業がみられる。マイクロソフトも、ノーツ/ドミノのユーザー企業に対し、ExchangeやSharePoint Serverへの移行を促進するプログラムを継続的に実施している。これについては、「大企業に関していえば、移行しようとする案件もあるものの、ほとんどが失敗しているのが現状。多くは1年くらいかけて検討して、結局はノーツ/ドミノに戻ってきている。国内の大企業向けグループウエアでは依然として70~80%のシェアを持っており、このユーザー層がほかに動くのは考えにくい」(澤田氏)と余裕を示した。

 一方、中堅・中小企業向けについては、「群雄割拠の状態で、各社でユーザー企業の取り合いになっている」(澤田氏)という。同氏によると、国内の中堅・中小向け市場のシェアは30~40%程度で大企業向けより低い。「値下げや中堅・中小向け特別パッケージの展開といった施策を打っているが、大当たりするものがないのが現状。この点においては、他社も同様の状況にあるとみている」とする。

 日本IBMでは新版の拡販に向け、ノーツ/ドミノの販売パートナー企業のソフトウエア技術者を対象とした研修プログラムを本格展開する。従来版のノーツ/ドミノで開発経験のある技術者向けセミナーや、Javaアプリケーションの開発に従事している技術者向けセミナーなどを開催し、従来版からのアップグレードを中心とした導入案件に対処できる態勢を整える。また、「パートナー企業と共同で、SaaS(Software as a Service)やASP(Application Service Provider)と呼ばれる形式でのノーツ/ドミノ提供を早期に始め、中堅・中小企業が簡単にノーツ/ドミノを導入できるようにしたい」(澤田氏)としている。