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写真1●緊急地震速報の情報を受け取り飲料品を無料で提供する旨をLED表示板に表示する自動販売機
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 東京国際フォーラム(東京都千代田区)で8月3日に開催された「緊急地震速報展・講演会」の展示会場で,33の企業や団体がさまざまな緊急地震速報システムのサービスや製品などを展示・デモンストレーションした。

 中でも,ひときわ来場者の目を引いていたのが,日本フィールド・エンジニアリングとインフォテックの共同ブース。ブース内に自動販売機を設置し,そのLED表示板に緊急地震速報の文字情報などを流していた。これは,災害発生時に飲料品などを無料提供する「フリーベンド」に対応した自動販売機に緊急地震速報を配信し,災害情報のメッセージ表示や自動的にフリーベンドを行うという取り組みを参考展示したもの(写真1)。インフォテックの説明員によると,10月1日からの一般向け配信開始に向けて,東京コカ・コーラボトリングなど大手ベンダーと話を進めているという。

 ただし自動販売機への配信ネットワークとしては,ADSLやFTTHなどの有線網が必要。このため,当初は役所や病院など公共性の高い施設内の設置から始まるだろうとしている。

写真2●工事現場などで働く従業員にいち早く危険を知らせるなどの使い方ができるポケベル型受信機(左)と腕時計型受信機(右)
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 同ブースでは,インフォテックの緊急地震速報配信システム「Rシステム」のデモも実施されていた。同システムは「Rコントローラー」と呼ぶ制御装置で緊急地震速報を受信し,警報装置の鳴動やエレベータの緊急停止などを行う総合防災システム。特定省電力無線で情報を転送するポケベル型や腕時計型の受信機も用意し,工事現場などで働く従業員に対して,いち早く危険を知らせることができるような工夫も施しているという(写真2)。

 また同社は,10月1日に始まる一般向け配信をにらんで,無線LANに対応した家庭向けの端末機も開発中。コンシューマでも比較的容易に導入できるよう,価格を抑えたものにしたいとしている。家庭向けの端末機は,8月末までには発表する予定だ。

写真3●CATV局内に置くマルチエリア予測演算装置(中),FSK変調装置(下)と各家庭に置く受信機(上)。左上が同軸ケーブルに接続する親機,右上が子機。親機と子機はFM波で結ばれる
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 全国のCATV放送局と一緒に緊急地震速報配信システムを推進しているネクストキャディックスは,CATVを使った緊急地震速報をデモンストレーションしていた。同社のシステムの特徴は,何秒後にどれぐらいの震度の地震が来るかを計算する演算装置をCATV局内に設置し,その演算結果をCATV網を通じて各家庭に置いた受信端末に配信するという点。このため,演算機能のない比較的安価な受信機を導入するだけで,緊急地震速報が受けられるようになる(写真3)。

 現在同社は,東京,神奈川をエリアとするイッツ・コミュニケーションズや三重県などをエリアとするZTVなど,全国80局のCATV事業者と共同で実証実験を実施中。10月1日以降に,緊急地震速報配信サービスを開始する予定だという。CATV加入者の利用料としては,端末レンタル料と配信サービス料を合わせて,月額数百円から1000円程度の付加料金で提供することを目指すとしている。

写真4●新築マンション向けの地震防災システムのデモンストレーション
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 新築マンション向けの地震防災システムを展示していたのがシーファイブだ。同社の緊急地震速報受信装置「EQ-Reporter II」を管理人室などに設置したインターホンの制御盤と接続することで,緊急地震速報を受信した際に各戸のインターホンで音声や画面表示による警報を発することができるようになるという(写真4)。このほか,エレベータの緊急停止やガスの供給遮断,暖房器具などをつないだ特定のコンセントに対する電気遮断なども可能になる。

 初期費用はマンション1棟当たり120万~130万円。配信/保守費用は1戸当たり月額500円程度。同社によると,2007年6月末時点で,モニターという形での竣工済みマンションが26棟・1281戸,建築中のマンションが68棟・5151戸あるという。

 緊急地震速報とは、地震の初期微動(P波)と強い揺れ(S波)の伝わる速度の違いを利用して,強い揺れが到達する前に地震情報を配信するもの。2007年10月1日からは,一般向けの配信が始まる。