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 米国アイオワ州地方裁判所の判事は8月31日(米国時間),同州の消費者が米Microsoftを訴えていた独占禁止法(独禁法)訴訟で,Microsoftから提案された和解金1億7900万ドルを承認した。これによって,7年間続いた法廷闘争が終結した。和解そのものは2007年4月に発表されていたが,これまでポーク郡地裁の最終承認を待っていた(関連記事:Microsoft,アイオワ州の集団訴訟で和解)。

 この訴訟は,アイオワ州が「Microsoftはパソコン市場における独占的地位を乱用して『Windows』や『Office』といった製品の価格をつり上げた」と主張し,消費者を代表してMicrosoftに3億3000万ドルの損害賠償を求めたことが発端である。和解によって,1994年5月18日から2006年6月30日のあいだに訴訟の対象となったMicrosoft製ソフトウエアを購入したアイオワ州の消費者は,現金の払い戻しを受けることになった。

 払い戻しを現金で受け取れるのは,個人の消費者だけである。アイオワ州の企業は,払い戻しを割引券の形で受け取る。ただし払戻金または割引券を受け取る消費者と組織は,2007年12月14日までに申請書を提出し,対象ソフトウエアの購入事実を証明しなければならない。これまでに消費者6万3000人以上,企業740社以上,政府関係の40組織が申請した。アイオワ州自体も,大量の申請を近々行うはずである。

 払い戻される金額は,購入した製品によって異なる。例えばWindowsの購入者はエディションにかかわらず16ドル,「Excel」の購入者は29ドル受け取れる予定だ。「Word」また「Works」の購入者は10ドルになる。この集団訴訟の主任弁護士であるアイオワ州デモインのRoxanne Conlin氏によると,払い戻しは2007年の「クリスマス前」に届くという。

 請求されずに残った和解金は,Microsoftが米国の様々な州と争った独禁法違反訴訟の例に倣い,アイオワ州の公立学校に割引券として寄付する。この割引券は,メーカーを問わずソフトウエアやハードウエアの購入に利用できる。さらにMicrosoftはアイオワ州の教育庁に100万ドルを提供する。寄付金と割引券の配布は教育局が管理する。

 この独禁法違反訴訟で最も物議を醸すのは,アイオワ州側の弁護士団が7500万ドルもの弁護料を受け取る点だ。当初Microsoftはこの金額に異議を唱えていたが,和解の一環として支払いに合意した。米メディアのThe Des Moines Registerは,この訴訟におけるConlin氏の時給を1000ドル以上と見積もった。

 現在Microsoftがアイオワ州以外で抱えている州による大きな独禁違反訴訟は,ミシシッピ州との係争だけである。かつてMicrosoftは,米連邦政府の独禁違反訴訟にともない,米国内で200件以上の集団訴訟に直面した。これらの集団訴訟は,ごく一部の例外を除き裁判の前段階で整理されて和解に至った。