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写真1●専用に開発した2.45GHz帯対応ICタグ
写真1●専用に開発した2.45GHz帯対応ICタグ
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写真2●ICタグは対象物の底に張り付ける 書籍の下に敷いているのがアンテナ・シート
写真2●ICタグは対象物の底に張り付ける 書籍の下に敷いているのがアンテナ・シート
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 無線ICタグ専業ベンダーの日本インフォメーションシステム(JIS)と、東京大学発のベンチャ企業であるセルクロスは9月12日、電波干渉などを抑え、読み取り性能を大幅に向上させたスマートシェルフ・ソリューション「CELLCROSS RFIDシステムソリューション」を開発したと発表した。図書館での蔵書管理や、陳列棚での宝飾品管理などの用途を狙う。10月にサンプル出荷し、12月に量産を開始する。ICタグは2.45GHz帯対応で、JISが今回のシステム向けに専用のICタグ・アンテナを開発した(写真1)。

 セルクロスの2次元通信技術「CELLCROSS」を用いたアンテナ・シートを利用する。このアンテナ・シートは、最大1cm程度の距離の近傍だけでICタグを読み取れるという特徴がある。電磁波をアンテナ・シート内に閉じ込めて、外にほとんど漏らさない。この特徴により、読み取り精度の高いスマートシェルフを実装できる。

 なぜなら通常のアンテナは遠距離のICタグを読み取るため、電波を遠くまで放射する。金属製のラックにアンテナを付ければ、ラックの棚に電波が反射して干渉が起こる。直接波と反射波が互いに打ち消しあって読めなくなる「ヌル点」が所々にでき、物を棚に置く場所によって、読めたり読めなかったりするのだ。CELLCROSSでは電波をほとんど放射しないため干渉の恐れが少なく、棚上のどの位置にICタグがあっても読み落としにくい。

 ただし、ICタグは管理対象物の底に近い部分に取り付ける必要がある。書籍なら、裏表紙の底の部分などに張り付ける(写真2)。これで5mm程度の薄さの書籍を敷き詰めても、ほぼすべて読み取れるという(平積みの場合を除く)。一方、衣服店の店頭などでアパレル商品に取り付けて使うのは、難しいだろう。顧客が商品に触って、ICタグがシートから1cm以上離れると読めないままになるからだ。

 アンテナ・シートの厚さは5mmで底面は金属製。既存のラックが金属製でも、そのままシートを敷き詰めてスマートシェルフとして活用できる。これまでのスマートシェルフは棚にアンテナを埋め込むものが多く、ラックごと置き換える必要があり、コストがかさみがちだった。

 コストも比較的安価である。A4大のアンテナが3万円~3万5000円という。リーダー/ライターは既存の製品をそのまま使い、90cm幅の5段ラックの場合で70万円程度で済む。ICタグも100万個発注時で14円程度と安い。

 これまでのスマートシェルフは13.56MHz帯を使うものが多いが、これもヌル点を消すのは難しい。今回の両社の提案は新しい選択肢になりそうだ。