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 「2010年の情報システムは、仮想化技術がなくては存在できない」。仮想化技術の総合イベント「仮想化最前線」の講演壇上で、日本IBMの中島丈夫エグゼクティブ・テクニカル・アドバイザーはこう力説。併せて仮想化技術の方向性を解説した。

 インターネットが経済活動の主要軸としてますます発展する中、それを支える情報システムの複雑性は高まっている。一方、信頼性への要求や、最近では「グリーンIT」というスローガンのもとで、情報システム全体における省電力化への要請も強まっている。

 「そうした中、システムの簡素化を進め、運用コストの低減を実現できる手段は何か。それは仮想化技術以外にはない」と中島氏は断言する。

 今後、仮想化技術の有効性が顕著に表れる考え方として中島氏が示したのが、仮想マシンのディスク・イメージ管理である。仮想マシン上にインストールしたOS、ミドルウエア、アプリケーションは、仮想的なディスク・イメージ・ファイルとして管理できる。このファイルを必要に応じてサーバー上に展開し実行する、というものだ。

 例えば、定常的に動かしているわけではないが業務上完全に廃棄はできない既存の業務アプリケーションの活用に有効という。「サーバー資源を侵食することなく、既存資産をそのまま保有し続けられる」(中島氏)。既存資産だけでなく、通常のアプリケーションにもこのイメージ管理の考え方はフィットする。あるアプリケーションを動かしているハードに障害が発生した際、イメージ管理コンソールの指示により、そのアプリケーションを動かすためのディスク・イメージを別のサーバー上で実行させることが容易である。

 中島氏は「今後、こうした『可搬性』を生かした仮想化技術の適用事例が増えていくだろう」と見る。また、IBMはこのようなアプローチを可能にする技術を継続的にリリースしていく計画だ。開発2007年第4四半期に、同社製POWER6プロセッサ搭載サーバー「System p」に向けて、「ライブ・パーティション・モビリティ」機能を提供する予定である。稼働中の論理区画(LPAR)を、OSやアプリケーションを停止せずに別きょう体のサーバーに移動できるようにするという。