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写真●南国ソフトの森下浩二代表取締役
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画面1●直感的な操作ができる倉庫管理アプリケーションのユーザー・インタフェース
画面1●直感的な操作ができる倉庫管理アプリケーションのユーザー・インタフェース
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 「業務システムのユーザー・インタフェース(UI)は,ずいぶん長い間,進化が止まっていた。しかし,WPF(Windows Presentation Foundation)やSilverlightなどにより,直感的で高度なUIを提供できる時期に来ている」。マイクロソフトが9月19日に東京都内で開催したWeb開発者向けイベント「REMIX07」の講演で,南国ソフトの森下浩二代表取締役(写真)は,新しいUI技術がもたらす可能性を語った。

 企業のビジネスを実行していくうえで情報システムは欠かせないが,「それを実際に使っている人の顔はどんなだろうか」と森下氏は聴衆に問いかける。そして,「おおむね,あまりいい顔はしていないだろう」と続けた。自分自身の10年以上にわたる開発経験を通じて,「これは使いやすい」という業務システムの画面に出会ったことがないという。業務システムの操作は常に「教えるもの」であり,こうした現状が“分厚い”操作マニュアルを生み,全国の拠点で操作トレーニングを実施するような事態を招いている。

 この問題の原因は,業務システム開発者のスキルにある。システム開発の現場において,「すてきなアーキテクチャやすてきなコードを書く人はいる。だが,彼らはユーザー・インタフェースのプロなのだろうか。ユーザビリティのプロなのだろうか。もちろん違う」(森下氏)。実際のところ,ユーザビリティについて真剣に議論することはほとんどない。

 このような問題意識を持って,森下氏が取り組んでいるのが,「直感的に操作できる,操作教育が不要なユーザー・インタフェース」の開発だ。画面1は,倉庫管理アプリケーションを例に試行したもので,UIデザイナと森下氏が組み,WPFを利用して1カ月半ほどで開発した。開発工数は計3人月である。倉庫を模した画面上のあちこちをクリック操作すると,棚をポップアップしたり,そこに置いた商品のリストなどを表示したりする。

 このユーザー・インタフェースが目指したことの一つは,「記号からの解放」である。業務システムは,何でも記号化しないと処理しにくい。倉庫ID,エリアID,棚番号,商品番号など,記号(コード)化されたデータは多岐にわたる。それらをシステムの内部で使うぶんには構わないが,「ユーザー・インタフェースまで記号化されていたり,文字ばかりで入力・表示したりしようとすると使いづらい。現実の業務プロセスのアクティビティとUIに乖離があり,ユーザーが変換して考えなければならない点が問題だ」と指摘する。

 森下氏が開発したUIでは,例えば商品を倉庫に搬入する際に,空いている棚を見つけて,そこに商品を置くマウス操作などをすればよい。「倉庫A,エリアB,棚Cの3段目に商品Dを置く」といった記号からは解放され,非常に直感的なオペレーションが実現できる。ユーザーの生産性が高まり,従来のようなトレーニングや分厚いマニュアルも最小限で済むとしている。

 このようなUIでは,画面遷移も少なくなる。様々なデータの入力や表示をUI上に凝縮できるためだ。入庫から出庫までの一連の業務プロセスを支援するには,従来だとたくさんの画面と画面遷移が必要になるが,「倉庫内部のUIをベースに入庫も出庫も処理できる。例えば,従来は10の画面遷移があったとしたら,このUIでは二つか三つになる」と森下氏は話す。