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日本IBMのRational Asset Manager(RAM)V7日本語版
日本IBMのRational Asset Manager(RAM)V7日本語版
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 日本IBMは,ソフトウエア資産の再利用を支援するソフトウエア「Rational Asset Manager(RAM)V7日本語版」の出荷を開始した。SOA(サービス指向アーキテクチャ)に基づいて作成されたサービスに加えて,ソースコードやドキュメントなどを再利用可能な形で作成し,保守・管理するまでの作業を組織的に実行できるようにするのが狙い。「過去何十年もソフトウエアの再利用に対する取り組みは続いているが,いまだに浸透していない。RAMはその反省に基づいて作られている」と,ソフトウェア事業ラショナル・テクニカル・セールス&サービスの藤井智弘氏は話す。

 RAMが対象とするソフトウエア資産は,サービス,ソースコード,ドキュメント,さらにバイナリ・コード,プレゼンテーション資料,パターン,プロセス・フローなど,特に制限はない。RAMでは,これらに関する情報(メタデータ)をRAS(Reusable Asset Specification)と呼ぶ標準仕様に基づいて管理する。RASは米国のオブジェクト指向に関する標準化団体であるOMG(Object Management Group)が2003年に策定した仕様で,ソフトウエア資産の分類や適用領域,資産を構成する成果物の名称,利用方法(ビジネス・シナリオ),作成者,他の資産との依存関係などの記述形式を規定している。

 これまで,ソフトウエアを再利用する際には,そのソフトウエアに関する情報が少ない,記述がまちまち,利用方法がわからないといった問題点があった。RAS形式で記述することで,こうした問題点を解決できるという。

 さらにRAMがユニークなのは,オープンソース・ソフトウエア(OSS)と同様に,コミュニティ・ベースの開発を可能にすること。再利用の対象となるソフトウエア資産候補をコミュニティに上げると,コミュニティに属するメンバーはその候補を評価したり改変したりできる。「従来,ソフトウエアの再利用は,完成品を共通データベースに上げる形が多かった。しかし,他人が作ったものはなかなか信用されない。OSSのように,メンバーが完成品にする過程で参加できるようにしたほうが,再利用は促進される」(藤井氏)。

 こうしてコミュニティによって作成されたソフトウエア資産は,レビューや評価を経て,正式に再利用の対象となる。RAMを使うと,こうしたレビュー/評価プロセスの流れや,誰が承認するかなどを設定できる。これによって,組織的な再利用の仕組みを形成することを可能にしている。登録されたソフトウエア資産は,キーワードやカテゴリー,どのコミュニティに属するかなどで検索できる。「このコミュニティのお薦めソフトウエア資産,のような見せ方もできる」(藤井氏)。

 RAMのバージョンが7となっているのは,他のRational製品と合わせるためで,日本語版は今回が初めての投入となる。価格は1ユーザー当たり20万200円(税別)。すでにIBM社内でRAMを利用しており,例えばソフトウエア・グループではデモやトレーニングの資料を登録しているという。「資料を作る過程で,講師候補の人たちがあれこれ意見を言い,その結果を反映している」(藤井氏)。ユーザーとして業種業態は問わないが,当面はSOAに基づいてシステムを開発・刷新している企業や,ソフトウエア共通化へのニーズが特に高い組み込みソフトウエア開発を手がけている企業が主な販売対象となるとみている。