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写真1 SX-9のきょう体と、NECの丸山執行役員常務
写真1 SX-9のきょう体と、NECの丸山執行役員常務
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写真2 新たに開発したSX-9のプロセサ
写真2 新たに開発したSX-9のプロセサ
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写真3 ベクトル型の優位性を説明するスライド
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 NECは10月25日、ベクトル型スーパーコンピュータの最新機「SX-9」を発表した。前機種「SX-8」から3年ぶりの刷新となり、来年3月に出荷を開始する。会見に臨んだ丸山好一執行役員常務は「1ペタ(1000テラ)FLOPSに近づく性能で、世界の技術発展に貢献したい」と晴れやかに語る(写真1)。

 SX-9は、システムの最大性能をSX-8の約13倍に相当する839テラFLOPSまで引き上げた。これは世界でユーザーが利用中のスパコン性能をランクしている「TOP500」の1位に対して3倍もの値。2004年6月まで世界トップだった「地球シミュレータ」の約20倍に相当する。

 性能引き上げの原動力は、NECが新たに開発した演算性能102.4ギガFLOPSの専用プロセサだ(写真2)。SX-8に比べて、6倍以上に高めている。このプロセサを1ノードに最大16個搭載可能で、512ノードで839テラFLOPSの性能を実現する。また、プロセサとメモリーやノード間の接続バスの速度も高速化した。消費電力の低減にも取り組んだ。プロセサの製造技術を65ナノメートル(ナノは10億分の1)まで微細化することで、性能当たりの消費電力をSX-8の3分の1以下に抑えている。

 TOP500の性能ランクでは安価に拡張できるスカラー型のスパコンが台頭している。これに対して西川岳第一コンピュータ事業本部長は「SX-9は単に性能を追い求めるのではなく、使いやすさと両立させた」と説明する(写真3)。「スカラー型ではプロセサのコア数が増えると、高速処理のためプログラムで並列化を強く意識しないといけない。ベクトル型のSXはそうした必要がなく、ユーザーが研究に時間を割ける」(同)という。

 販売面では、3年間で700台を掲げる。SX-8の販売台数は3年で400台だったが、自社のユーザーに加えて他ベンダーからの乗り換え需要を見込んでいる。現時点で大阪大学が10ノードの導入を決めているという。SX-9の月額リース料金は4プロセサ、メモリー256Gバイトの最小構成で298万円となっている。丸山執行役員常務は「価格政策について考えていきたい」と料金面での攻勢に含みを持たせた。

■変更履歴
タイトルで理論性能値について「1テラに迫る」としていましたが、正しくは「1ペタに迫る」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2007/10/25 16:40]